未破裂多発動脈瘤,時間がかかる理由
理由の列挙.
1)硬膜が癒着していて開頭時,裂けたこと,そこへ筋膜を当てながら縫合
余分に30分はかかる.ある程度の年齢になれば頻度はあがるが,
出来る限り,裂ける範囲を縮小するよう気を配ること.
余分にかかった時間(15-30分)
2)次に,MEPのモニタリング.
なんと目安のところへ電極とすべらせて,きれいに腕,顔の反応がでるまで20分かかった
向きと電極の滑らせて入れる距離がうまく合わなかった.
余分にかかった時間(20分)
3)シルビウス裂に静脈が無く,最初の開けるところが手間がかかった.
そこを突破したら,深く入っていくこと.表面の剥離だけでは,前頭葉を寄せる時
側頭葉から離れない.
余分にかかった時間(10分)
4)瘤と動脈がへばりついていること.temporally clipを内頚動脈にかけると
動脈に型が付いた.要は,動脈硬化で,掛ける良い場所がなかなかないこと.
バイオネット型のテンポラリークリップを瘤に近いところにかけて,なんとか
しのいだ.テンポラリークリップも,どこにどのような形をかければベストかを
もう少し考えておくこと.
余分にかかった時間(10分)
5)今後改良すべき最大のポイント
剥離して,濾出した動脈瘤をみても.クリップの形は大体イメージが出来ても,
それがSugitaの何番なのか,ほとんど知らないこと.
それでは,その都度,クリップのいっぱい入った箱とにらめっこになる.
さっそく,ネットでカタログなどダウンロードして,番号と形を大体覚えていくように
段取りをした.
余分にかかった時間(15分)
6)2個目の動脈瘤,これは,それほど時間はかからなかった.
しかし,L字型クリップをかけて,残りにミニのストレートクリップをかけたが,
最近,はっきりわかったことは,クリップのブレードは全部使わずに,
必要な長さだけかけること.クリップ先端の位置が瘤を超えて出すぎて良いことは
一つもない.穿通枝をひっかけるなどして,困ることが多い.
瘤の皮というか壁があるので,そこの内壁まで到達すれば,瘤内に血流ははいってこない.
7)手術用顕微鏡のフットスウィッチが使えない.
これは,まったく練習不足である.今まで多くの病院を転々とした欠点であろう.
要は,機種によって微妙に違う.というか全然違うので,覚えるのを止めてしまった.
基本はフットペダルはズームとフォーカスしかない.
ズームで拡大,縮小,
フォーカスを奥か手前か. 全部で4つしかない.
フットスウィッチで,ズームが左右に踏み分けるものと前後に踏み分けるものがある.
それでは足の運びというか動きはまったく異なる.
まあ,今のところで上達したければ,今の機種に合わせて練習.
実際は,ズームで拡大,縮小よりは,フォーカスを手前か奥かのほうがよく使う.
だから足の先側の左右でフォーカスを合わせるのではないかと考えている.
また,反応スピードも機種によって合わせられる.
自分にとっては,今の顕微鏡の設定反応速度は非常に早く,行きすぎる印象がある.
特に最大の倍率にしたときは,あっという間にフォーカスが狂う.
まぁ,サンダルが今日きたので,明日から練習.
実際は,両側の手の部分にフォーカス,ズームがあるので,
右手で部位を合わせながら,左手でフォーカス,ズームを合わせてもいけるが,
基本は,両手で手技,操作をしているとき,奥へ,手前へとフォーカスが
合わせられたら早いということ.
おそらく,上達の基本の基本と考えている.
余分にかかった時間(30分)
つい最近の手術から,いままで何気にやっていたことを
意識的にするようにして,注意点を書いてみた.
2011年の目標なので.
手術用DVDは,年間300枚はみるようにしよう.
どうせ,実際のものは,4倍速ぐらいでみるし,
とにかく,最近は動画はたくさんある.
うまい人の論文などの記載は,自分のようなB級の人間には,
よくわからない.そこまで行ってない.
土台ができていない人が.オリンピックの試合に勝つノウハウ本を
読んでも,感動はしても,格別の上達はしない気がする.