人口10万人あたりの、脳外科医の数が一番多い県は? 2007年の記録

驚きの数字のマジック
 
  先日、医薬推進室?かなんか名前は忘れたが、
データがあったので見せてもらい、びっくり。
なんと自分の単身赴任の県が
人口10万人あたりの脳外科医の数が7.8人で
日本で一番脳外科医が多いとなっている。
本当か? 
何で毎月の時間外が180時間もあるのか?? 
なにが狂っている原因か??

  しかし、冷静に考えて見た。
昨年、救急をやめた脳外科のある病院が4病院もある。
6人は専門医が消えている。
この5年で他府県から入ってきた専門医は自分ひとりしかいない。
これは間違いない。
しかも同門の先輩方は80歳で現役で病院にいる先生とか、
5人ぐらいは手術も救急もしていない。
さらに地元の大学の元教授などの先生方も手術、
救急は一切していない。

老人の割合は25%で全国2位。
医師も当然、70歳以上の人がいっぱいいる。
その人たちを、人数にカウントしている。
老老介護という言葉があるが、
定年がないので介護病院に週に3回ぐらい午前中に顔をだして、
以前は夜中の手術もしていたという医師は
本当にこの県にはたくさんいる。

それを現役バリバリの医師と
同じ扱いで人数として数えると、
高齢化した県ほど医師の数も多くなりそう。

以前アメリカにいたときに、死亡者の欄をみていると、
死亡地がフロリダなどと書いてある
高齢者の通知がいっぱいあった。

自分はニューヨークの北にいたので、
おそらく高齢になった人が移り住んだ地域での
死亡地をかいてあるのだと理解した。
フロリダに遊びに行ってそれも実感できた。
元医師、元弁護士もたくさんいるだろうが、
医師として80才となっても回りの人に役立つことはすばらしいと思う。
しかし、そのときに専門は脳神経外科というと奇妙な印象をもたれそう。

自分も属している学会は脳神経外科学会がメインで、
内科学会などは全く入っていない。
このまま年をとると脳神経外科のまま年をとる。

統計上、どうなるのか? 
そもそもの問題が、
日本での脳外科の歴史が45年ぐらいしかないので、
高齢となって引退しないで、
介護施設で嘱託医として働いていても、
脳外科の肩書きしかもっていないように思う。

結論は、
「高齢化した県では、高齢化して地元に戻っている医師が多い。
それを医師の数としてカウ
ントすると、
高齢化の進んだ県ほど、医師の率も高い」となる。

町や市が、この30年あたりで開発された地域では
医師も現役バリバリの働ける人しか、そこにはいないと思う。
結局は故郷に帰ってきました。
あるいは老後は暖かいところでなどの条件は、
高齢化してない地域では起きない理屈。
要するに自分のいる県が、高齢化した県であるという
傍証のようなデータである。
今後、定義をどうするかであろう。
へますると「医師は高齢化の進んだ地域ほど充実している」と
言い出しかねない。
以前、「米軍海兵隊の死亡率はきわめて低く、
一般社会よりも安全であり、皆さんどうぞ」という広告があった。

一般的な癌年齢にも達していない20-30歳の
屈強な男を選りすぐった集団が、
80、90歳もいれた一般の死亡率より
高かったら人類は滅びる。
その集団が戦闘状態になれば死亡率は上がるが、
通常の訓練で一般人の死亡率を超えるのは、
前提条件からしておかしくなるので、
その広告自体は、すぐに消えたらしい。

まあ、それと同じ類の、統計を見せてもらったことになる。

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