多くの立派な人がいる.
彼らは困難を克服した.
それは,事実である.
だから,それらを分析した本を読んだら,自分も
その困難を乗り越えるノウハウが身につきますか?
答えは,ほぼノー.
なぜか?
答えは,それぞれの能力,それぞれが抱える問題,環境などが
すべて異なっているからです.
困難な状況でも,どの部門をとっても全滅という状況はない.
いくつかは使えるリソースというか資源はあるはず.
それも人によって違う.
それらの共通点を取り出すと,
あきらめない.
耐えきる覚悟をしている.
自分を信じている.
他を捨てる潔さ
などの抽象的なもののみになる.
ノウハウ本に「コミットメントする」とか
「具体的に決める」とか,似たようなことはほんとにたくさん書いてある.
まあ,最後の最後のノウハウは
「必要なことはすべてする」
「不必要なことはすべてしない」です.
この二つのことをして,それでもだめなら,
その時,別のノウハウが身に付く.
減量でもそう.運動をする.夜中の夜食をやめる.で終わりです.
論文を書くのでもそう.論文を読んで,書く.他の本やTV,ネット,DVDは見ない.
など,それは,ある程度わかりだすと,簡単な気がする.
「余分なことをしない」は人間の誘惑に対する挑戦である.
「優先順位を決める」はみなわかる.
「劣後順位を決めて,それらはしない」
が,人間はできないことが多い.自分は自分なりに気がついていたが,
それも,ドラッカーの本に書いてあったのを見つけて,驚いた.
「しないことを選んで捨てる」ことがどれだけ大事なかまで,
苦労して,自分もわかった.
おそらく,意識的に,ある程度のところまでいった人はわかっていると思う.
それが,若ければ若いほど大成する.
自分は,遅すぎた気がするが.まあ,それこそまるまるダメではない.