昇らぬ太陽 2008年の記事

“砂の巨塔”のほうがあっているか?

去年の9月から続いていた密着取材の連載記事が
2月から出だしたが,
ある人に

「まるで先生がしゃべっているような臨場感で,
山崎豊子の小説のようですね」といわれた.
「そうですねタイトルは「昇らぬ太陽」ですかね.」と
答えておいた.

まあ,小説は「白い巨塔」では,
一人の権力志向のエキセントリックな手術の上手な医師の話で,
最後は自分が癌で死ぬといういまさらながらの
ありがちなお話である.

あるいは「沈まぬ太陽」では,まじめに律儀に働き続けて
アフリカ支店に飛ばされても戦い続ける
芯が通ったというか頑固すぎる男の話.どちらも面白かった.

しかし現実は,そのどちらにも属さず,
地を這うようにして医療を支え続ける
B級の能力の医師たちこそが大多数である.

今回自分が密着取材をうけた理由は,
耐え続けていて,もうだめであると辞めたら
,その個人の責任に持って行こうとする体制自体に,
あらかじめ実はこうなんですよと外圧を加えておいて,
残って戦う人たちへの応援とさせてほしかったからである.

自分は売名行為といわれようが,
内実をぶちまけた危険な不平分子といわれようが,
最後のシナリオは「責任とって辞めました」なので,かまわない.

その覚悟があったから実名報道でも良いとした.

退職まであと1ヶ月半.

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