大ウソ
多くのノウハウ本,仕事術,
モチベーション向上本にでてくる
「決めぜりふ」
「うまくいかないことが重なっても,命まではとられまい」
この文章が出てきた本は,意外と多い.
最悪を考えてみると,まだまだ,
あなたはやれるという論旨である.
こちらは萎える.
仕事が,要は手術では助けきれない時でも,
確かに今の医療技術なら
患者の命は「すぐにはとられない」のは事実.
人工呼吸器つけて10日後に死亡とか,
なんとか切り抜けても呼吸器が外せないとか
はずせても,意識はもどらず植物状態とか・・・・
要は,その手の本を書いている人も読んでいる人も,
「人間の命のやり取り」はしていないから,
簡単に言える.
ほんとの戦場にでたことのない人が
「作戦参謀」として,
意見を述べているような印象.
初めから重症で,
負け戦とわかっていても
出来るだけのことをするのは,
社会的な決めごとのようなもの.
しかし,予定手術で悪いことが
患者に起きれば,
それは,
普通のサラリーマンにとっての
仕事の失敗をはるかにしのぐ衝撃になる.
通常の仕事の失敗でも,
「自分の命まではとられまい」と
開き直れる人は幸せいっぱいに思われる.
ERという有名なアメリカの番組がある.
その中では,社会的な複雑な背景を持つ,
重症患者が津波のように押し寄せてくる.
そしてたくさん,患者は亡くなる.
そして,その前で佇む研修医が,
「一人前になるにはどうしたらよいか」
とつぶやくと
上司が”kill the patient” と
アドバイス(?)
答えは,
“Just I did” という会話があった.
重症でhoplessなら仕方がないが,
気を許した瞬間にそうなれば,どうなるか?
予定手術でも予想外のことが起きれば,
上記の会話になるのか??
フロンティアのような手術ならそれもよいが,
自分以外の誰かがすれば
そのようなことが起きなかった
可能性があればどうなのか?
仕事術,時間管理術の本などは,
「文化系の仕事の人」
「工場の生産効率を上げる」など向け
ばかりである.
ドクター向けはみたことが無い.