認知症は男女の差別無し.職業の差別無し.医師にも認知症

高齢化社会は,日本全体に来ている.
全ての日本人が直面している.

当然のことながら,
全ての男女に認知症が出てくる可能性がある.
と言うことは,もとの職業が何であれ,
高齢化,特に85歳ぐらいになれば,
認知症になる可能性がある.

自分は「とうとう来たか」と実感した次第.
それは,認知症のドクターが2名救急搬送されてきたこと.

1名は,現役医師.
いつまで出来るのか.
そもそも,医師は病気を治す職業と考えていると
間違いを犯す.

もとから,「治さなくても癒やすことは出来る」とか
色々言われているが「医師に求める期待」はたくさんある.

「こちらの話を聞いてくれる」なども良く言われてきたこと.

その医師の仕事は,施設で「do処方と死亡診断書の時間を書き込むこと」
本人が,尿失禁すれば施設の職員が介護してくれる.
メインの仕事は他の医師がする.
タクシーで行き先を言えば,病院まで通勤は可能.

高齢認知症男性の介護をする家族は大変であろう.

しかし,その男性が医師の場合は,ある意味で特殊.

「医師免許は返納しないといけない年齢はない.」
要するに「定年」「一区切り」などはない.

もちろん,ドクターヘリからは降りて地上勤務に就く.
メスを置く,夜中の当直を止めるなど順番に変わっては行く.

しかし,「医師免許を返納」の義務はない.
「元医師」という表現は存在していない.

自分が話を聞いた高齢医師は,ほぼ,82,83歳で
医業に関しての活動は中止している.

もちろん,頭脳明晰のまま,80歳超えて引退された方も大勢知っている.

しかし,今回経験した医師は,
認知症ならではの良い点がある.

それは,「話が合わなくても,相手と話をすること」
が可能であること.

診断,治療というよりは,話し相手が必要な療養型病院,
施設入所者にとっては,自分よりも高齢で医師である人と
長々と話が出来ることは,人生でほとんど無い.
すばらしい経験であろう.
専門用語が時々出るのも刺激であろう.

医師免許ある限り,認知症になっても世の中に貢献できるということは,
ある意味,自分の30年後も,明るいと思った次第.

一人の医師は,施設入所した最初の1年は,
そこから週に4回往診をしていたとのこと.

おそらく,今回,病院から施設に行ったもう一人の医師も
「施設から通勤」も可能に思える.
家族は,「へりくつの多い,部屋で捜し物ばかりして,
失禁もする夫」を面倒見続けるのは大変.
施設に入所してもらって,医師免許のある人間にしか
できない仕事を最後までしてもらう.

この場合の「認知症医師の入所する施設」と「その医師が働く療養型病院,施設」
は別のほうが望ましい.
やはり,「通勤してきて働いている医師」としてみてもらった方が
良い.

「男の生きがいは,仕事」なので,認知症になって,
子供の名前は忘れても,仕事の核になる部分を忘れない人は
多く見てきた.

これから日本は縮小する.
その時,認知症医師を再雇用する.
そしてその時,医師は稼いだ給料で自分の入った施設入所代を払う.
まさに,3Rである.

人口減少の reduce
医師再雇用の reuse
そして,その稼いでくれたお金で施設入所代,家族,孫へのお小遣い
などお金が回る.recycle

である.
たしか,その3Rでノーベル賞をもらった女性がいたはず.

夫が認知症の医師の場合,介護しないといけない妻,家族も助かる.
医師不足の療養型病院も助かる.その医師自身の介護は
専門職員が行うので,問題なし.
また入所者にとっても,話を聞いてくれるような医師がいるのは
嬉しい限り.

さらに医師が入所している施設は,間違いなく料金を貰える.

ここで言う「医師が入所するのは,

高額で食事付きで快適なバックアップ体制のあるもの」
そこから通勤する施設,療養型病院,介護施設は,一般的な大勢の
寝たきりの方々の多いところと異なっている点に注意.

この条件では,「認知症であっても,四肢麻痺もなく,最低限の通勤が
可能なレベル」で末期の末期で寝たきりの医師を活用すると言うことでは無い.

 うまくすれば,「日本認知症医師の会」も発足,運営すれば,
ノーベル賞まではいかないが,明るい???ニュースにはなるかも.

まあ,「認知症になった夫」が
「返納しないといけない,あるいはある年齢で退職しないといけない職業でない場合」
は,reuseの道を探してあげるのが,家族も楽,本人も生きがいがある.
そして医師なら,患者さんも嬉しいと,win-win-winの関係ができる.

「診断」と「治療」「医学教育」などとは関係のない医師の仕事も
非常に多い.免許証さえあれば,可能な「印鑑押し」などもある.

もちろん,「物とられ妄想」「易怒性」など,医師に向いてない
症状が出た場合は,退職にはなってしまう.

医師は,良い認知症になっていれば,終生,人のため,家族のため,自分のために
働ける可能性があると気がついた.

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