本業と趣味の違い

仕事が趣味です.

本当ですか?

良く聞く言葉に
「趣味で仕事をしている」という言葉がある.

大きな違いがある.
以前,「自分の強みを発見する」なんとかという本に
書いてあった.
自分の資質の中で,優れている部分は子どものころには
無邪気に発揮される.
しかし,大人になると,ある能力があることを示したために,
他のことができなくなったりすることがある.

自分がしていて,いつまでたっても飽きないもの
他の人はマスターするのが大変でも,自分には苦痛も何もなく発揮できるもの

などが,ほんとの与えられた資質であり,それを伸ばして仕事にすれば,
大勢の競争の中で勝てるという趣旨.

それは,ある程度当たっているが,
「いつまでやっても飽きない」「ある程度は上達する.」
しかし,
「大勢の人の中ではトップに立てない.本業として,認められるほどではない.」
「人さまの前で見せるほどにはならない」
という分野があるとすれば,それこそが「趣味」の定義である.
と,書いてあった.

1)本業の特徴
  責任,お金をもらう,社会性,どんなの時でも最良の結果を要求される.
  嫌なタイプの人間とでも,続ける必要がある.
  技量が下手なら,上達して,一定以上のレベルになる必要がある.

2)趣味の特徴
  いつでも中止できる.お金は払うほうで,もらうほうではない.
  好きな相手とだけ付き合えば良い. 飽きなければ自分の技量で続けたら良い.
   

自分は「脳外科が本業で,救急が趣味」のような印象を自分自身でうけていたが,
本業に選んだほうが,絶対につらい.
趣味は,自分の都合で手を引いたり,途中でやめる自由がある.
自分はここまででもう十分というところがある.
フライフィッシングに行っても,5匹も釣れたら充分で,それ以上は,飽きてしまう.
救急でも,自分のいる病院で出来る処置ができれば十分である.
中毒,熱傷などを自分が責任者で診るつもりは全くない.
そもそも,今働いている病院には,そのような設備がないし,治療している同僚医師もいない.

しかし,脳外科関係の特殊な知識は,とことん要求される.

「救急は趣味と言っていた」と他の職員から指摘されて,
「趣味なら,今年はそれはしない」と決めることができるとわかって,本当に楽になった.

「辞める技術」などの本は結構でている.
「一時的にやめる技術」というタイトルの本があれば読んでみたい.
副題は「誰にも責められず,自分にもやさしく,人にも優しくして」
と言うのはどうか?

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