半単身赴任1年間のまとめ 専門医編

2016年10月1日から,今の病院に半単身赴任.

1) 手術に関して
 年間のオペ件数は,今年の9月7件,8月2件,大体,5件程度.
年間60件程度.まあ,ほぼ一人で行ったものなので,
ここ3年,今の病院は,ほとんど大きな手術をしていなかったので,
まあ「脳外科医」としては少し仕事を「再開」した感じ.
ほぼ,1年 慢性硬膜下血腫ばかりやってきた.
たまに皮質下出血を全麻でオペ,あるいは神経内視鏡でオペ.

SAHもようやく,9月に2件はいった.
おそらく,3年ぶりの脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血のオペ.
1例目は9月7日頃か?
それが,驚きの「機械の不具合」
まず,開頭ができない.「サイドカッター」がうまく動かない.
それで45分はうまくいかず.
次にICGが「管球の老朽化」で見えない.
仕方なしにドップラーを出してもらったが,音がしない.
中身を開けると,単3が6本その機械に入っていたが,
なんと電池から液漏れしていて,動かない.
交換してなんとか済んだ.
これほど,「錆び付いた」状態はめずらしい.
2時間弱は機械の不具合との戦いだった.
それでも,無事終了して,その人は,先日全く無症状で歩いて帰った.

自分が「温厚」で,「実力」があったので切り抜けたが大変であった.

まあ,神経内視鏡の手術も前病院では,自分には
「させてくれなかった」ので,ようやく,
こちらで止血も吸引もできるものを購入してもらい,
夜中に局麻で行った.
前病院では「オペレーター」が6名もいたので,
自分は「救急の患者をするように」との位置づけだったので,
もう,全くする機会は与えられなかった.
そういう意味では,今はトータルの件数は少なくても,
自分の手術件数は多い感じ.
自分の実力があることは証明できても,
前の病院では「当たり前」のことなので,
全く存在感がなかった.
手術に関しては,自分のやりたいことができて,評価はA(-)程度.

2)外来
 自分が昨年10月からきて,外来患者は増える一方.
 その理由は簡単.
 自分が頭痛学会指導医なので,ほぼ頭痛に関しては,
 何でもかんでも診断がつく.
 片頭痛もたくさん受診する.
 前病院では神経内科が頭痛をみていたが,
自分のほうが頭痛に関しては詳しい.
 
 もう一つは,高齢者の多い地域にてきたので,
 昨年,認知症学会にも入って,
 いままでの知識にも加えて,薬も4種類しかないので,
 勉強もものすごくしないと わからないと言うことはない.
 脳ドック学会でも,「認知症」が大きなテーマなので,
 知識は増やしていた.
 またIpadで簡単にできるCADi2を外来で出来るので,
 脳ドック学会推薦のそのソフトがあれば簡単にできる.
 MMSEや長谷川式よりずっと簡便.
 
 要は,外来は,頭痛,認知症の患者さんがくるので増える一方である.
 自分の診てきた脳脊髄液減少症も紹介されてくるので,
 「特殊な疾患が診られる」のなら,他も可能なように錯覚
 
3)入院患者数

  これは,脳卒中は診るとして,自分は「てんかん患者」を
  多く診てきたので,しかもラミクタール,イーケプラと
  さらに最近のフィコンパなども含め,勉強会もでて,
  自分も,講演を頼まれてしたりした.
  そんなこんなで,「てんかん発作」も急患で収容できる.
  その中には,心因性のヒト達も入ってくるが,多くの
  解離性障害,要は昔のヒステリーの患者も自分は救命センターで大量に
  みてきたので,わかるし説明もできる.
  
  従来の頭皮縫合の患者に加えて,脳挫傷,脳卒中に加えて,
  てんかんと類似疾患も診ることができるとなると,必然的に入院患者も
  増える.
  それと,自分は不穏の患者を多く診てきたこと.
  高齢者の暴れるヒトなど,全く困らない.
  脳外科で「外科外科したヒト」は,それらのコントロールが弱い医師は
  結構いる.
  自分は救急の専門医を持っていた関係で,
  そのような患者の対処もずっと頼まれて,面倒を見ていた.
  「どんな患者も何とでも対応ができて,怖くない」医師なら,
  診療する患者数は増える.
  「脳外科は手術をする科なので,神経内科的な疾患は診ません」というのは,
  神経内科がたくさんいてくれる病院での話.
  そのような病院で,神経内科の先生の処方を横からみて
  覚えて行っていたので,今は困らない.
  
  おかげで入院患者もどんどん増えました.
  それらは,退院後は半数は外来にまわってくる.
  ということで,入院患者数も外来も増える一方である.

  以上のことから,いくらでも入院患者は増える.
  

そんなこんなで,今まで培ってきた自分の専門範囲がカバーする分野
が,当たって,まあうまくいきました.

  
 
  
 

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