研修医のための学会スライド改善法

研修医向け
スライド作成のマインドセット

土曜日は,地元で脳外科の地方会があった.

自分は発表しないが,後期研修医が発表する.
最初は,彼が一人で行っても大丈夫だろう
と思っていたが,徐々に心配な状況に.

全体の「筋立て」の前に
一つずつをものすごく掘り下げて勉強するため,
「森を見ず」のような感じになっていた様な.

前日の金曜日にスライドを一緒に作り直した.
彼は,前日の夜は,その後スライドを直して,
発表の練習するとのこと.
自分は20時には,帰宅.

一生懸命勉強する結果
スライド作成は
非常に凝っている.

改善すれば「スライド作成を速く,
きれいにできるにはどうしたらよいか?」
がわかるような気がした.

前提条件として,

すでにパワーポイントの使い方は大体わかる.
勉強も良くしている.
参考文献もよく読んでいる.
画像もよく分析している.

などは当然として,どうしたらよいかを考えてみた.

1)内容
1-1.
このスライドは何を言いたいのか
を,はっきりと理解しておく.

部分,全体,部分,全体と見直す.
提示したい必要な情報を,
確実な形で,提示するように努める.
スライドは,キーワードが出ているのであって,
口演は,文章で言う.
スライドに「・・・・です.」などは
記載しない.
  口では,丁寧に説明する.

1枚のスライド内容が,全体像からしたら,
  発表したい内容の中のどの部分をしめしているかを,
  その都度,確認する.

このスライドでは何を言うということを
明確にしないと,余分なものが入ったり,
必要なものがなかったりする.

1-2.前後の続きを考える.

このスライドは,前のスライドからしたら,
どの部分が前のスライドの続きで何を言いたいのか?
次へはどこがつながるか?
最終的な結論になるのはどこか?
などを考えて,最初に絵コンテのように,
作っていかないと作ったり直したりの
繰り返しになる.

2)形式
2-1.
背景はスライド全体が使えるものにする.

    
今のスライドは,背景のパターンが,
がたくさんある.

上のほうに波があって明るめの色,
横に模様があって下は黒めになって,
下の部分には横線が全体に入って,
一回りスライドを
小さくしている.
全体はグラデーションなど.

そのような設定をすると,
スライドに本来の情報を入れる部分が

一回り小さくなる.

大事な本来の情報の部分を小さくしていることがある.

二回りも小さく作るのは,やめるべき.

おそらく全体のレイアウトを考えていると思うが,
イメージとしては,
大きなスライド画面に,小さな文字と画像.
周りはたくさん空いているというスライドができる.

周りの空白,模様は,情報は全く提供しない.

なんの情報もない空間を,広めに取るような模様を
いれた背景はやめること.

2-2)文字,画像はできるだけ大きく

研修医は若く目が良いので,
それでよいかなと思うらしいが,
文字のポイント数自体を小さく入れている.

ただでさえ,広いところの後ろの席では,
不必要な模様の入った背景では情報の画面が
狭い.
その上に,文字,画像を間の空間を大きくして,
本体は小さくしては,おかしい.

「文字,画像などは,考えられる限り大きくする」
が正しい.

2-3)画像は明るく設定しなおす.

MRI画像なども,そのまま取り込んで
そのままコピーして終わりでは痛い目にあう.

それでは,会場が暗くて広いと
プロジェクターではスクリーンに暗めに
写ってしまう.

ということで,
明るさを一段,コントラストを一段
上げるようにしておかないと,
薄暗い画像になる.

MRIなどはコンピューターのモニター上は,
「白茶けた感じ」に作って,
会場でのプロジェクターは,ちょうどよく見える.

そもそも,プロジェクターの光量は
本格的なものでない限り,低いというか,
弱いというか,足らないものが多い.

「暗い部分のコントラストも明確に描出」
などは高級なものの話.

この3点を徹底的に守っていけば,
内容はいざしらず,形式としては
問題ないものができる.

3)画像のレイアウト

画像は,提示する枚数でレイアウトが決まる.

ダメな例:
上下,左右に2枚ずつで4枚画像を入れる
レイアウトをして,そこへ3枚いれて,
右下が空白のスライドをまず作る.

そして次のスライドに 前のスライドの最後の空白部分に
最新の画像をいれたもう一枚のスライドを作る.
それで「このように変化しました」
などは,普通はしない.

その理由は,スライド見た目のバランスが悪い.

最新の情報,
術後の画像や治療後の画像をまとめて入れたものを
出したいのに,昔の画像が入ったスライドに
入れたりしたら,
比較のための1枚のみしか入らない.
新しい情報が不足しすぎ.

治療前後の違いを出したいなら,
治療前を1枚のスライドに.
治療後をもう一枚の次のスライドに載せるのが基本.

3枚提示するなら,横1列にして三つ並べるのが普通.
そして最新の情報提示なら,
その後に急展開するのが普通なので,
詳しく写真をださないといけない.

基本の基本,
 3枚の画像なら横に並べる.
 4枚の画像なら横に並べられるぐらい細ければ,横に.
 正方形の画像なら上下左右に2個ずつ.

 経時的変化を示す3枚の画像を,上下左右にならべて,
 一枚だけ右下に開けるようなレイアウトは,しないほうがよい.

レイアウトを考える段階というのは,
準備も煮詰まってきている状態なので,
そのようなときに,基本を知っておくと,悩みが少ない.

一般論は,良くできて,具体的には,どうすればよいか
よくわからない状態は,誰でもにある.

いくつか,系統だって直せそうなことを書いてみた.
 

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