脳外科が常勤として必要な病院の条件

以前から気になっていた.

日本の県には,
メインの都市と対抗する2番目の都市
その周辺の小さな市に
わかれていることが大半である.

今年で,脳外科が閉鎖になる市民病院がある.
調べてみたが,人口が38000人しかない.

その手前の岡山市よりの市の人口も38000人
もちろん,その市民病院にはもともと脳外科がない.
岡山市の南の市の63000人の人口の
市の市民病院にも脳外科は常勤がいない.

以前いた,高知県でも
あるとき急激に脳外科が無くなった.
県立安芸病院は,2名がゼロに.安芸市の人口は27000人
また,一人に減らされた四万十市44000人
他にも一時的に2名に増えて,すぐに無くなった
土佐市民病院の土佐市の人口は29000人

話を聞いてみると,
印象として,人口5万人弱の地方都市で,
脳外科が手術もして,脳外科本来の役割を
負って稼動している病院というのを聞いたことが無い.

はっきり言って不必要なのであろう.
くも膜下出血が10万人に20-30人が毎年発症するとして,
人口30000人なら,多く見積もって年に10人弱である.
発症すれば,手術になるのは6-7割である.
もともと,高齢者が多い地方都市となると,
治療可能年齢かどうかも含めると,
くも膜下出血になって,手術適応は,
3人ぐらいではないか.

くも膜下出血の手術が年間3件,
慢性硬膜下血腫は,おそらく,年間20件ぐらい.
脳出血,血栓内膜剥離術などいれても,合計30件いくかどうか.
しかも,リハビリが出来ないとなれば,脳外科医師が
全部みることになる.

高知のある地域の脳外科医は,結局一人で
600人ぐらいを抱えて,麻痺などの後遺症,健康管理をしていて,
フレッシュな患者の手術などが,できる状態ではなかった.

「脳外科医が赴任」という時には,
神の手のような外科医が来る必要はないが,
少なくとも,緊急性のあるくも膜下出血の手術は
住民,病院ともに期待する.

それが年間3件,後は全身管理で,健康教室,在宅にまわったり
などすると,あっという間に腕もおちて,
2,3年後には,「手術はもう辞めました」となる.

自分の印象,

最低医療圏人口が10万人はないと,脳外科医師は不要.

それでも,医師がほしい,医師がほしいと要求が強い.

まあ,また一つ,脳外科常勤の市民,市立病院が無くなることを聞いて,
現実はどうなのか調べてみた.

おそらく,医師を派遣している医局などは,
もっと詳しく分析して,医師の分布をさせている
気がする.

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