救急車の不応需率対策: 一斉送信の試み


メディカルコントロール協議会での発表で,
ある意味,衝撃的な試みが進んでいることが
提示された.

まあ,従来のパターンでは,
「一つの病院に頼んで,断られたら次の病院」
ということで,

時間がかかる.
35%が断られるなら,3ないし4つの病院まで頼めば,
どこかが取ってくれることになる.

他の重症急患対応していれば,
日赤も市民も,その時点では取ってくれない.
しかし,有名どころの大病院で,今の今,その時は大丈夫という
ところも必ずある.

改善策は,
「今,こんな患者がいますが,取れますか?」
とPCに打ち込んで,各病院の救急外来への
メールで,一斉送信をする.

そこで,可能と思った救急外来担当の医師が,
すぐに,可能のボタンを押せば,
救急車につながる仕組み.

そうすれば,4つの病院のうち3個がダメでも,
待ち時間は,計算上は1/4まで縮まる.

その考えの裏には,

1)救急車は今後,増え続ける.
  理由は,高齢者の移動手段の問題,どこに行ったらよいか
  素人では,わからない問題などから,どんどん増える.
  救急車は「重症患者を運ぶ」というよりは,「病人を運ぶ」
  に変わっている.
  高齢者の多死社会はもう,起きている.

2)国は,「救急車を多く取る病院に優遇政策を取っていっている」
  舵取りを,そちらに向けている.

結論

3)今後,救急車は,「取り合い」」の時代が来る.

一斉送信で,受け入れボタンの早押しクイズのような状態に
なり,毎日,毎日,救急車の台数を競う時代が,目の前に来ている.

夜のウォークインの軽症を何名見ても,全く
評価の対象になっていない.

問題は,そのシステムを作り上げるとき,
CPAにはリストに入っていなければ,初めからメールが来ない.
など,選択と集中はさらに進む.

さらに,「軽症のみ可」という病院も,
軽症との扱いなら,診ることが可能になり,
なんでもかんでも,大病院から聞いていく手間が省ける.

まあ,問題は,費用であろう.
なにをするにしても,新しいことをするには,
金がかかる.

アイデアとしては,画期的,救急の現場が変わると思う.

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