現実は同じでも,見えているものは違う. 2015/8/9 人間に対する深い洞察 医師には多くの種類の人がいる. 親が病院を全体の会社の一部として経営している医師, その医師は「飲み会で自分でお金を払ったことはない」と言っていた. 親が,すしなど食べに行ったりしたこともない医師. 冗談で「すし」といえば回転してくるものしかしらない人も 今はいると思うと話をしていたら, 「私の親は寿司なんかたべに行ったことがない」という医師がいたので, その話題はそこで急遽,ストップ. それだけ,環境が違っていると, 医学,医療に関しては共通の専門用語に対する認識があるが, 住んでいる,あるいは見えている「現実社会」は, 全く違うものであろうと納得した. おそらく,共通の単語で全く別の意味があるように思われた. 医師としてA級なら,それを極めればよい. 給料などは関係ない.まったく別の世界での戦いが待っている. それは,将棋の名人になれば大富豪になるわけではないが 得られる賞賛と歴史に名を残すことなど,全く別の栄誉が与えられるのと 同じであろう. 神から与えられた才能で勝負をする人たちには, 自分のようなB級の人間には全く見えていない世界があるだろう. ところで,今回わかったことは, そうでない人,すなわち医師としても超A級ではない人たちから見えている 「現実社会」と思っているものも,人それぞれ全く違うとわかったこと. それは,「親がこういった.親がこうしていた」ということに尽きる. 判断材料,思考能力が無い乳児,幼児,少年少女の初期の時に 「親の発言,行動」は その子供が考えること自体のフレームというか枠組みになる. いわばコンピューターのシステム自体になる. その上にソフトが乗って 対処していくことになる. だから,考え方は,大人になっても変わらない. あるいは,変わりにくい. 自分の両親を誰も否定はしたくないから. 「ある部分は,その時の状況では正しかったかもしれないが, 今はその思考は通用しないよ.」と 父親,母親に冷静に説明できる子供というのも なかなか見たことがない. 「あんたは兄弟,姉妹のなかで,ひとりだけ生意気な」 と言われたくないし. その結果が, 「寿司は親も食べなかったから食べないが,お金はあるので, ネットでものを買いまくる」などの 「親には逆らっていないけど,消費はするよ」 という医師も出てきておかしくもない. 自分で,ゼロから, 大人になって考えを築き上げるには, ロケットが重力を引き離して 飛んで行くだけのエネルギーがいりそうな印象.