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いくつになっても,驚くことがある.

2018年 2月24,25日と研究会に参加,自分も一つ発表.
驚いたことは,POTSなるものがあるが,
腰椎穿刺の圧が0cmH2Oの人達がいるが,
脳脊髄液は漏れていない画像所見の人がいるとのこと.
今までの「脳脊髄液減少症」は「漏出症」が正しく,
産生が減って,あるいは吸収が促進して,「圧がゼロ」の人がいるのは,
「考えてはいけない」とされてきたもの.

自分の驚きは,「漏出症」一本槍の人達は,
「圧がゼロだが,漏れている所見を全く示さない一群の人,少なくとも
調べたうちの数人はゼロあるいは6 cmH20以下の患者群がいる」

そして,そのデータを持っている人達がいることについて,
どのように,説明をするつもりなのか??

神経内科のある医師のグループは,それを疑っていない.
これは,ある意味,絶滅していて証明できないと思っていた,
シーラカンスや,クニマスが一群で見つかったことに匹敵するほどすごい.

多くの人は,この事実をもっと知るべきであろう.
主催者の属する神経内科の教室自体が,全くそれを疑っていない.

まあ,循環血漿量,発汗,尿量などが神経系の調節を受けているので,
髄液産生量が,神経,特に自律神経系の調節を受けていないはずがない.
それで産生量がゼロになるまで落ちるかは,自分はよくわからないが,
「低髄液圧症候群」の一群に,「髄液漏出症」でない人達がいることを,
知っている人達がいることに驚いた.
まあ,シーラカンスも,クニマスも地元の人達にとっては,
「昔からいたけど」みたいなものであろう.

まじめに言えば,脳死になった状態で,血圧が60以下になれば,無尿になる.
もちろん,まだ心臓は動いている.血圧が80ぐらいにあがれば少しは尿もでる.
それと同じように,血圧は存命する程度にはあっても,髄液が産生されなくなる圧があるはずである.それは無尿の時の膀胱内の圧がゼロに近いという状況と同じであろう.
心底,驚いた.

オーストラリアのカモノハシをヨーロッパに送った人は,
動物を足し合わせて別の動物を作りあげる「いたずら」は止めるように言われた.
しかし,哺乳類と鳥類の間の生き物で,卵を産む.
普通に考えたら,そんな生き物は進化の途中で絶滅したと思う.
しかし,地元の人にとっては,「実在する」のは地元の人が生まれるより前なので,
当たり前のことであっただろう.

地元の人でない,要は専門外の自分にとっては,上記のような驚きであった.
ほんとに勉強になった研究会であった.

自分の「今後の生き方」にも衝撃を与えた研究会でした.

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