ドクターズ ハイは?
最近,TVで,山へ登ってどんどん空気の薄い所へ行くと,
状況がわからなくなって,
むしろ,元気が出てきたような錯覚に
陥る状況があるらしい.
それを「クライマーズ ハイ」と言うそうな.
昔から,ある程度ランニングしていると気分が良くなってくる
「ランナーズハイ」は,有名である.
そこで,気が付いた.
朝の8時前から病棟をまわり,朝のミーティングのときは,
自分の勉強をして,空いた時間には書類を書いて,
その間に5つの家族に病状説明.
空いた時間にさらにサマリーを書いて
気がついたら,夕方6時.
家に帰りついて,食後すぐに勉強.
それから風呂に入って手術記録やお勉強.
寝るのは,朝の3時頃,
それでも次の日もバリバリと働く.
「どうしたんいったい?」
「そんなに働けるん?」ぐらい働く.
疲れ知らずの状態.
絶好調.体も頭も口調も滑らかに動く.
そういう,一時的な疲れを感じないで働ける1-2日を
「ドクターズ ハイ」と呼ぼう.
ところで,怖いのはその反動.
働いた倍以上の時間は,
神経の不応期のごとく,身体が動かない.
歩くスピードも極端に遅くなり,
追い抜くスタッフが振り返り,
「大丈夫?」
「徹夜の手術でしたか?」などと聞いてくる.
これはおそらく,
プロスポーツの選手やオリンピックなどの
大きな試合のある選手は,
みな経験していることと思う.
要するに,準備を重ねてピークパフォーマンスを
大事な試合当日に持っていくということである.
あとは反動でしばらくヘロヘロ.
外科系の医師なら,
準備に準備を重ねた大手術の日に向けて,
体調を整えたりは,当然行う.
それが,ある状況で勝手に出てしまう時に
ドクターズ ハイと呼ぶべきか?
ある程度のパフォーマンスを常
にあげられるようにして,
上下の変動のないのが,
トータルしたら一番仕事量は多いと思う.
しかし,いやいややるよりは,
どこかで絶好調な時を味わうのも
大事と思う.
この前,一瞬
ドクターズ ハイ
の状態になった気がした.
反動は,激しい.
※2016年4月読み返すと,
マラソンの「セカンド ウィング」と混同している部分もある.
マラソンでは,走り始めて10km程度ぐらいで,
酸素が供給されて,筋肉も温まって,走りやすいことを
セカンドウィングと呼ぶ.
ランナーズハイは,最後の5-10kmの
最後の苦しいときに,脳からエンドルフィン,エンケファリン
などの物質が来て,楽に感じることを言う.
最初に「疲れている」のが条件である.