この二週間で,結論をえた.
病院の事務方が医療が分かっておらず,無駄が多いとする.
そこへ,医療もわかるからと医者がその立場になることができますか?
という質問.
答えは,無理.
なぜか?
医師不足の小さな病院なら院長が別におれば,そこの管理者として,
医師を雇えば,医師としても働いてもらえるので,なれる.
県の基幹病院の場合は?
それは,県知事やそのブレーンが選ぶ.
その基準に,「自分たちの功績になること」が含まれる.
理論として「医療経済,医療政策」を学問として研究してきた
医師はもちろんなれません.
それは,「臨床医」を呼べないから.
それと基礎医学の元教授もなれません.同じ理由からです.
院長が有能で,その方面は問題がないなら,
成れない可能性も
ないことはない.
しかし,院長が有能でも,事務方がどうもならん状態なら,
そこへは,
行く医師はいない.
臨床医が成れますか?
無理です.
ものすごく有名な,臨床医がいるとすると,その人を呼ぶのは
臨床の力を発揮できるポストにきまっている.
その人が病院経営をしたい,自分はそのために多くのものを勉強してきた.
ということは状況として考えにくい.
有名で評判のいい臨床医の場合は,きわめて忙しい.
臨床医としての名声をすてて,自治体病院の経営,方向性に関与するための
勉強などは「人材の能力の無駄使い」になると思う.
在野で院長歴が長い人が,選ばれる可能性はあるが,
それは,「院長をしていて,病院の赤字を黒字にした」実績が必要.
有名な先生方も散見される.
それも院長をした後の話である.
要は,
1)アメリカ型の「医療経営」を途中から学んだ医師を管理者にやとう
文化は,日本にはない.
あるいは,まだ育っていない.
が,結論.これは現場のトップ,
医療経済にかかわっているトップの人に質問したことなので,間違いない.
まあ,2週間の,ほかの仕事を止めてのリサーチの結果です.
今後の方向性がよくわかった.
院長にはなりたくなくて,途中から,病院経営を勉強して,
医療従事者が幸せになるために企業長,管理者になりたい医師というのも
まれかもしれないが,
そういう想定は,だれも考えていないことがよくわかった.
臨床医なら,まず,実績,実力だけでなく,名声があって,それを捨てて
「今までの仕事は,もう飽きたからやめる」という立場になってはじめて,
そのような部署に行けると判明した.
いろいろな,普段は話もしないような人と話ができて良かった.