誕生日を迎えて,思うことが多い.
そもそも,自分が50歳になる日が来るとは考えていなかった.
「いずれ人は年をとる」とは思っていた
しかし,自分に老眼,疲れやすさなどが出てきて,
初めて歳をとることの意味がわかってきた.
ところで,今後もいつまでも,
夜間,休日の救急患者に気管挿管したり
,明け方の急を要さない患者さんに
表面上は穏やかに話をしたりするのか??
そもそもどんな職業でもそうであろうが,
なってから初めてわかるものがある.
どの仕事も楽ではない.
なりたかった医師像がみなあるであろうが,
卒業時に思い描いたことは,人生全体でもそうだが,
50歳すぎた後のことなど全く想定できなかった.
せいぜいが「技術を身につけて,手術をできるだけやって」
などである.
社会的なというか立場上の出世というのにも
ほとんど興味がなかった.
というか自分の親戚や周囲にそのような人が
ひとりもいなかったので考える土台がなかった.
親戚,一族でも医師になったのは自分だけで,
そもそも理科系がほとんどいない.
学生時代も遊んで終わりであった.
それなら,もっと勉強して論文を書いていたら,なにか変っていたのか?
自分の器の大きさなど,自分で分かる.
この人は優秀という人にお目にかかると,自分のことが良く分かる.
野心も若い時はあったのかもしれないが,忘れてしまった.
そもそも,医師不足がくるなどと誰も予測しなかった.
へとへとになれば,「どこか別のところ,別の世界に幸せがあるかも」
と思うようになる.
勉強は純粋に面白い.
しかし,いつまでも体力は持たない.
年高序列の制度も壊れた.
というか医師は全員「年高」になった気がする.
研修医の時に経鼻胃管と気管切開のカニューレを交換をするのが,
自分の仕事であった.
それが48才になってもそれをしないといけなくなり3時間かかって,
病棟の半分しかできていないという状況だったりしていた.
40歳代は,自分としてもよく働いたと思う.
今後は別の仕事に進みたい.
とにかく,そういう思いだけが強まってきた.
理想は理想,構想大局,着手眼前というかなんというか・・・