詰まったらはじまり
今から40年前までは,脳も心臓も血管は詰まればそれまでで
点滴しながら様子をみるしかなかった.
そばで励ますぐらいしかすることがなかった.
だからこそ,「医は仁術」と言われていた.
今は,詰まってからが医療の開始である.
血管内手術,ステント,血栓溶解術,
特に,tPAの導入は,医療に「時は治療なり」と時間が勝負であることを知らしめた.
そうなると,その治療を出来ない事は,良くない事になる.
出来る時間内にもかかわらず,何もしないで,
症状が悪くなれば,訴えられることになる.
しかし,それらの治療法はハイリスクハイリターンなので,
その治療法をおこなったことで,
何もしない時よりも,悲惨な状態になる事もある.
もちろん,その時は訴えられる可能性がある.
年取った昔の医療しか知らない医師ほど、
「救急はなんでもとれ」と言うのも、
ある意味当たり前である.
最先端の治療法を実践しているところほど,時間に追われて
ヘトヘトに疲れているのも、当然の帰結である.