日本は,ある意味,歴史上初めての国である.
と,ものの本に書いていあった.
経済の発展に関して,
歴史的には
「二番手になった国は,一番の国に勝負を挑む」
ということを繰り返してきた.
日本は第二次世界大戦が終了した時の生産力は
世界27位だったと
何かの本に書いてあった.
今の日本のサッカーのFIFAの順位からしても,
そんなに悪いところに
つけていたわけではない.
それで,とにかく,
がむしゃらに頑張って
世界2位の経済大国までになった.
そのあと,バブルがはじける直前まで世界中の,
特にアメリカの不動産を購入した.
ロックフェラーセンターも
三菱地所が購入していたと思う.
そこから,
徹底的に1位を目指す戦略を
とったかというととらなかった.
そして今は中国に抜かれて3位となった.
今後は,インド,インドネシアと
人口の多い国が出てくる.
日本人は
「遅れているとわかると,追いつく努力は惜しまない」
しかし,
「差をつけて,さらに差を開ける努力をしない.」
が特徴と常日頃から感じている.
外来患者さんでも,病気になってから,
水泳をしだして,
毎週泳いでいる人がいた.
グラフまでつけて一生懸命,
どれだけ泳いだかをこちらに
説明してくれていた.
「まだ,泳ぐと・・・・」などと不平不満があり,
治してくれとの要求が次に来ていた.
何回も聞いていて,あるとき,
突然,気になって聞いてみた.
「こんなに,状態が悪くなる前も,
一生懸命泳いでいたんでしょうね」と.
答えは? 「いいえ,全然」
「・・・・・・・ ,体調が悪くなって,
首も痛いのに,どうしてそんなにするんですか?
元気な時は,今まで何もしてなかったのに?」
「・・・・・・」
ある本を読んでいて書いてあった.
日本人は,調子が悪くなるとジョギングをしだす.
米国では,体調が良いと思ったときにジョギングをする.
とのこと.
米国も広いし,場所によっては違うと思う.
日本では「人より遅れることは,いけないこと,
良くないこと.恥じるべきこと」と教育を受ける.
その代わり「出る杭は打たれる」とも
子どものころから教わる.
皆が一線に並ぶように進むのが,
唯一の認められる状態である.
人事評価も「マイナス点が無いほうが良い」というもので,
ものすごく何かが優れて,実績が上がっても
評価の対象にならなかった.
ましてや,成果主義などはいまだになじんでいない.
米国では
「人と異なる意見も言えるように.強みを生かす」と
教育を受ける
歩合制で実績をあげたものが,
評価も給料も高い社会である.
だから30代後半から40歳後半までが
最大のパフォーマンスで最大の収入を得る.
オバマ大統領も47歳で大統領になったはず.
外来をしていても,
「この人は日本人的な日本人」と思う人がときどきいる.
まあ,工夫をして,出る杭と言われるほど
人からねたまれるほどのトップにはならないが,
異なる分野でも,そつなくこなして
豊かな人生を歩むことは可能であろう.