今の研修医システムで,あぶりだされた特徴的なタイプの話


年明けに帰郷していた時,
大きな研修病院の内科部長をしている高校の同級生に
興味深い話を聞いた.

今の研修医の中には,
検討会で症例提示するとき,

電カルを見ながら提示する.
そして,検査データの値を聞かれると,
また,電カルを見て,返答する.
さらに,画像所見を聞かれると,
放射線科の所見レポートを読み上げる.

それで,画像では,その所見はどこかと聞くと,
全く画像は見ていないので,わからない.
わからないといけないこともわからない.

要は,研修というものを,
「カルテを読むもの」と解釈しているような.

ネットを読んで,コピペで
レポートを作るというのと同じ.

共通していることは,
「自分はわかっていない」こと.

よく言えば,報道官,悪く言えば伝書鳩.
ただの右から左へのメッセンジャー.

データの解釈,画像の解釈,
今後の予後予測,
最終的な治療法の決定,
悪化,増悪した時の対処法,
責任の取り方など

「最終的な全権委任された立場」
その前の「矢面に立って,責任を背負う」
と言う立場になる訓練を,最初から放棄している.

「考えることは,医師たちでどうぞ」
と言う立場,環境から一歩も外へ出ない.

以前から,主張していることだが,

「研修医は研修医という新しい身分であって,
医師という身分ではない」

新しい時代が来たのは,間違いない.

昔から,研修期間にドロップアウトする人は
一定の確率で存在していた.

それが表立つことが無い様に,周りが
手を添えて,適材適所に回してあげていたのが
事実.

今は,「ダメな研修医は,ダメ」と
白日の下にさらされる.

今は,自由に選べるので,
指摘されて腹を立てた研修医は,
次の病院へ行き,
「前の病院は指導体制がなっていない」
と前の病院の評価を広げたりすることがあるらしい.

一回目はうまくいくかもしれないが,
その理屈は,何回も通用はしないようにできている.
世の中は,いつまでも,屁理屈が通るようには
できていない.

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