昨年に近くの○○○医療センターが80万円以上かけて,
後期レジデント募集のDVDを作って,
勧誘会などで,バックで流していた.
それが,良かったのか,15名?9名?の大量の後期研修医が集まったらしい.
それで,「うちも作ろう」とトップの号令で,
まずは,今年の初めに,リニューアルしたそのセンターの建物に見学にいった.
建物が新しい.中庭,パティオがある.
全体の建物の作りは,シンガポールのラッフルズホテルを思わす.
2階には,京都の有名な紅葉のお寺みたいな庭がある..
これは,確かに,素材が良いので環境ビデオ風に作れば,
ビデオとしては良い物ができそう.
見せてもらった物は,全く,仕事の内容よりも完全に,約5分に,
きれいにまとめた環境ビデオ風.
実際のところは,優秀な院長,副院長,中堅どころの医師が
ちょうど良い具合に年齢的にも分布しているからであり,
けっして,DVDが良いからとか,環境が良いからで
若手医師が集まるはずが無い.
まあ,自分の働いている病院のトップは適当なことをいう.
岡山の後楽園を写したらきれいだから岡山に医師が来る???
なんか,考えは全く煮詰まっていない.
アバウトそのもの.
そんな「アバウト」な要求を,映像作成会社に頼んだ物なので,
全く突拍子もないシナリオが来て,吹っ飛んだ.
その内容は,全く突拍子も無い.
その台詞を読んで,医師全員が腰が抜けるほど脱力,失笑.
例)
「謎のおじいさんが,倒れている.
指が光っている.
まず,手術室だ
満床です.
じゃICUだ.
脳がどこにあるかわからない.」
と救急の医師がしゃべることになっていた.
SF映画でも,CGを駆使するにしても,どうすれば,
良いのか不明.
それで,すべて撮影予定など白紙になった.
まあ,それからの医師募集のDVDだが,
担当医師はなぜか,
自分一人になった.
係は,スタッフ秘書と自分だけぐらい.
まあ,一体,どんなDVDを作れば良いのか.
撮影は4月の終わりの週に2日間だけ.
撮影隊,監督は,自分達とは違う視点で物事をみていた.
朝から晩まで,撮影クルーもプロだけに
よく頑張る.
しかし,自分は病院建築でわかったことがあったので,
自分の意見は絶対曲げなかった.
「彼らは撮影のプロであって,医療の,特に
医療現場のプロではない.」ことは,
わかっていた.そこを勘違いすると,驚くような
現実と異なる物が出来る.
機材のレンタルの都合上,
撮影日が決まっていたので,その時入る手術をとる.
しかも新しい病棟,手術室が出来たばかりで,
新しいカンファレンス室も撮影前日に机が入ったところ.
偶然に,自分の患者さんの未破裂脳動脈の手術が入った.
患者さん本人も,全く問題無く好きに撮影してもらったら良いと,
同意書にサインももらった.
まあ,なんとかかんとか,ドタバタで出来た.
「医師募集」なので,ナレーションは英語,吹き出しは日本語.
その吹き出しも英語の直訳ではなくて,
自分が校正して,なんとなく,アクション映画風にした.
β版が来て,みてみると,確かによく撮れており,
カメラワークもすばらしい.
しかし,最後のほうは,全く台詞とナレーションと吹き出しが
合っていない.
まあ,他にも不必要な場面が多いので,
完成版は5分以内におさめないとだめであろう.
台詞とナレーションと画面をもう一度,あわさないとダメであろう.
まあ,プロに頼んで100万円以上の費用をかけた,
医師募集の宣伝DVDができた.
まあ,さしずめ監督さんにアドバイス,
そして,誰がどの役をするかのいわゆるキャスティングをしたので,
ディレクター (監督)ではなく,プロデューサーの役割であった.
まだ11分物,7分物とあるが,5分以内に今日中に縮めないと.
「ファイナルカット」が出来る意味でもプロデューサーであろう.
自分の中では,ようやく次の仕事が出来る.
8月までに,来年の研究会のポスターを作らないと.