今後,どうすれば,個人の幸せになるのか.
自分の受け持ち患者さんも,いつのまにやら
90歳代はあたりまえ
になった.
患者の半分以上が90歳代になった.
60歳代の患者さんは,
「えらい若い人が入ってきた」と感じる.
90歳代でも,元気で歩ける人が病気になって,
治療して歩いて帰るなら,こんなハッピーな話はない.
それが,寝たきりで胃瘻増設後で四肢屈曲拘縮状態の人が,
開眼しなくなって,脳出血だから専門病院でと
施設から転送されたりしている.
今の「医師」「医療」に対する要求がわかる.
それは,どんな状態でも専門医にみてほしいである.
何回も書くが,
治療に関わらす,一日たてば,人間は一日年をとる.
2週間入院して病気が治れば,「2週間若返った」ということではない.
「10年以上寝たきりの人が肺炎になり,
リハビリをしようとして,起き上がらせたら,
骨折した.」
なども聞く話である.
「寝たままの状態なら,なぜ骨折するのか?」と
疑問に思う様な.
10年寝たきりの人の骨が,普通に生活する人の
10年よりもずっとずっともろくなっているという
概念が抜け落ちている.
要は,寝たきりの人は,ねたきりなので,
日常生活していない.
ということは「年をとっていない」と錯覚している人々がいる.
要は,健康な人が年をとるのであって,病人,
特に寝たきりの人は年はとらないと錯覚している.
確かに,変化がわかりづらいのは事実.
もう一つの大きな現代人の錯覚は,
「人間は病気で死ぬ生き物」で「それ以外では死なない」
というもの.
人間は,病気になろうがなるまいが,けがをしようがしまいが
最後には死ぬ生き物である.
多くの錯覚がある.
しかし,人間が生きていける理由は
「根拠のない希望」と書いてある本があり,
その考えに自分は100%賛成の立場.
自分が日々,感じる錯覚は,
その根拠のない希望の一つなのであろう.