「専門医受診加算」が追加される日も近い

新しい加算項目の算定はいかがですか
モンスターペイシャントの名称は定着した.

最近の記事の中に,「専門医を出せ」と
要求する等があった.

夜中に来て,そのように要求するとのこと.

これは,ある種の夜の店に,
閉店後にはいって行って
「○○を出せ」「●●ちゃんを呼べ」と言うのと
同じ感覚であろう.

感覚は同じだが,違っていることがある.
その手の店は,まず最初に入店料金が高い.

さらに,「お気に入り」を呼ぶには「指名料」がかかる.

自分自身の金銭感覚からすると,
ものすごく高いような気がするが,
自分のお金で,好きでその手の店に行く人を
とやかく言うつもりは全くない.
それで成り立っている経済関係である.

しかし,閉店後には普通,店には入れないし,人もいない.
営業時間でも「今日は●●ちゃんはお休みです.」
と言われたら「よべ」とは,お客さんは普通はいわない.
「また出てくるわ」という感じで早々と
帰宅するぐらいのものであろう.

自治体病院に夜中に行って,「専門医を出せ」と叫ぶのは,
その手のお店が閉店した後に,
入店料を払わずに店に入り,
その店のトップの売れっ子をただで
自分のテーブルに呼ぶということをしていることになる.

その手の御仁が,その手の店で歓迎される唯一の条件がある.
それは,「格段に余分なお金を払える人」である.
そのお客さんのために「店をもう一度あけて,店員を呼びだして,
御使命の○○ちゃんにもきてもらう」ことをしないといけないからである.

それが,社会にでて無理がきく人と効かない人の差である.
声が大きくお金が少ない人は,おそらく,
丁寧に
「チェーン店の中で,もっと安くて楽しめる違う店」を
紹介される気がする.
夜の店を経営しようとすれば,
金離れの良い客と,要求は金離れの良い客と
同じで,お金のない人用に店も分けて営業するであろう.
少なくとも自分ならそうする.
限られた資源で最大限の収益を上げようとすれば,
上客と普通の客をわけないと無理であろう.

夜中に自治体病院で
「専門医を出せ」と大きな声で要求する人は,
自分を「上客」と思っているからこそ可能なのであろう.
そのような人は,
毎日の生活でも似たような発言をしているであろう.

しかし,経済の原則が働きだすと,
夜の店では,「売れっ子の身体は一つ」なので,
高い料金を払い,あらかじめ予約した人たちでないと
相手をしてもらえないことになる.
マイケルジャクソンは,心臓専門医を一人つけていた.
会社が費用を出してである.

コンサートでも前のS席は高く,後ろのB席は安い.
それが世の中である.

「専門医を呼べ」と料金も払わず叫ぶのは,
自分がどのような要求をしているか
考えたくないであろう.
マイケルジャクソンが要求したことを
自分が要求してどこが悪いと
思っている気がする.
人間社会での自分の置かれた立場などという
発想自体が全く頭にはないであろう

今後の自分の印象:
専門医に診てもらうには,
「専門医受診料」がかかるようになりそう.
保険診療に組み込まれそう.

大体が,日本医療評価機構も
「専門医の数」を条件に入れている.
夜に専門医が診察したら,
専門医受診料として3割負担で
5000円ぐらい課金される時代は,
この3年ぐらいで現実化しそう.

そうなると
「誰でも専門医に診てほしい.命は平等」という運動もおこりそう.

おそらく,
命は平等ではないと段々と国民がわかってくる時代になりそう.

そういう意味では,米国は本当に先を進んでいる.
以前のニュースで,高い料金を払った人が,
早くみてもらえる外来を
中国が開始したようなことが書いてあった.
考え方は経済的な原理原則,資本主義の基本である.

同じ時間がかかるなら,
快適に移動できるグリーン車は費用は高い.
隅々まで経済的な原理原則は働いている.

医療崩壊の基本の理屈は「医療資源は有限」であった.
ましてや「専門医」はさらにレアメタルのように貴重な資源である.
それをむやみに使うのは,さらに崩壊を早めるであろう.

それを防ぐ手段の一つとして,
「専門医受診加算」は必ずでてくる.
おそらく最初は,「時間外」だけにつくであろう.

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