自分は,12時間の手術を2分50秒にまとめた.
それで発表したが準備,編集が本当に大変であった.
わかったことが,たくさんある.
1)まず,日本人には,動画があまり合っていない.
日本人は,静止画が好きである.準備をして,ある一瞬を永遠に記録したい.
ヨーロッパは無声トーキーなどでもわかるが,動くものが好きである.
手品なども,欧米では動いている最中に,観客も乗って手拍子したりする.
昔の日本の手妻と呼ばれる手品は,最後に決めのポーズが入っており,
そこで,拍手となる.
2)最近は,結婚式も何人かのプロが来て,動画を撮って,
最後のパーティーの終わりに編集して,皆にみせるという
サービスもあるらしい.
しかし,高額でもあり,どんどん浸透は,していない印象.
要は,ダンスの文化の欧米ならではのサービスと感じる.
3)編集しているときは,目をそらせない.
別の用事とのながら仕事は出来ない.
急に,ピッチがなったり,急患がきたり,他の用事が入ったりすれば,
動画を止めることになる.よそ見をしている間に
大事な部分が流れて行ってしまっているかもしれない.
自分みたいに,多くの仕事を並行して行っていると,
動画編集は全く,できあがらないままである.
要は,編集中は「画面,モニターから目をそらさない.」
が一番重要なことと判明.
約2ヶ月間,毎日毎日,数時間行っていると,
目をそらさない癖が付いた.
他の電話がかかってきても,モニターを見ながら話をする.
大事そうな電話なら,モニターを一時停止にする.
4)相手を見ながら,相手から目をさらさずに会話する.
その後,ヒトと話をするときも,相手を見続けて話をするように
変わった.
相手の目のまわり,口元など,今まで凝視したことがなかったが,
ヒトの顔を見ながら,目をそらさずに話すように
なった自分に驚いた.
相手の表情で,腕の動きで,「使える部分を」を探すように
無意識に,動画編集している自分がいた.
そういう風に,職場で相手を見ながら会話をしていると,
相手の歯並び,使える動き,髪型など詳細な情報が
こちらの頭の中に,入ることがわかった.
今までは,相手を見ずに,あるいはちらりとみて,
他を見ながら話をしていたが,新鮮な驚きであった.
動画編集的な,相手を見ての分析.
今までの自分は,ヒトの顔を全く見ていなかったと
納得した.
特に女性の顔をじろじろ見るのは,失礼に当たると思っていた.
最近は,じろじろは,見ないが,観察しながら相手と話を
するようになった.
この一夏でかわったこと.
気がついたら,蝉が鳴き出していた.
気がついたら,蝉の声がしなくなっていた今年の夏.
集中した季節であった.