自分のすんでいた,
「サン○ット〇ル」アパートは,
自分的には,快適であった.
ときどき,住人の車とは違う車が
とまっていることがあった.
別にそれは,それで構わない.
合計,4人しか住人がいないので,
友達が遊びに来ているだろうぐらいしか
考えていなかった.
しばらく,
「ときどき,今までで2,3台どこかで
見たことがある車が,置いてある気がする」ぐらいに
1年間ぐらいは思っていた.
ある特徴的な外車が
置いてあった.
どこかで見たことがある.
突然気がついた.
大学病院の駐車場でみたことがある.
まあ,同じ車もあるかも.
ある時,各科の病棟をアピールする
パンフレットみたいなものが
そこの大学病院全体で作ったものが
できていた.
自分などはまったくどこにも出なかった.
教授,病棟婦長,教育係の代表的な
職員などが,出ていた.
一般向けと,就職用の資料などを兼ねている.
普段,アパートのほかの住人には,
まったく興味もなかったが,
どこかで見たことがある女性が載っていた.
それが,自分のアパートの斜め上の女性と
しばらくしてわかった.
それが,わかれば,急に
さらにわかった.
その科の若手医師たちが乗っている車が
自分のアパートに来て,停めていたことが.
その女性のおそらく上司,婦長クラスが
書いた,その女性の紹介欄の最後に,
「私生活も積極的」と書いてあった.
一般的な,「仕事も私生活も充実して,
楽しい人生が送れる職場」
という宣伝なのか,
もっと,深い意味なのか不明.
ペラペラ,口にしないほうが良いと思い
その時は,黙っていた.
その後も,話すような内容ではないと思い
いつの間にやら忘れていた.
そういう時代であったのだろうと
突然思い出した.
日本がバブルのピークに突入した時代の話.
もう,20年前の話.
そのアパートもなくなっているかも.