シニア手前の医師は,一所で一生懸命に

「行くとこ,無いぞ」

ある程度の年齢になった医師が
必ず言われる言葉.

当たっている.
有名どころの部長,課長になるのは
40代後半.51,52才まで.
教授でも同じ.
オオヤケの病院は定年が63才ぐらい.
そうなれば最後の3年ぐらいは副院長,院長などの
病院経済,人事のマネジメントになるので,
60才までが「主科での最後の華をさかす時期」となる.
後は,ワタクシ立の名誉院長,部長待遇などになる.

自分の年齢を考えて,もう今のところから
行くところはない.63才ぐらいまでは働くだろう.
そうなると10年もない.

「一所懸命」と「一生懸命」の違いは,
ネットで調べたら詳しく説明がある.
要は鎌倉時代の武士が「一所」でその土地を敵から守り,
いざ鎌倉となれば,はせ参じるという土着の
侍の信条をかいたもの.
時代が下り,場所の移動も多くなって
どこでも懸命にしないといけなくなって
「一生懸命」が文字として生まれたのが定説.

それで,今の自分,
病院だけで,国立大学病院脳外科2個,基礎研究室1個
留学先1個,その後働いた病院は国立1個,私立4個,
公立1個,そして今の私立1個.
同じところで2回などをいれると,

就職した,のべ病院は10個は超える.
その間に当直病院などは,他に20個以上行っている.
手術の手伝い,バイトなどとなるとさらに20個は行った.

今の病院の状況

一昨日も
ナビ使ってフェンスポスト立てて
神経膠芽腫を全摘した.

今年は,20年ぶりにさせていただいた鼻からの下垂体腺腫,
緊急の椎弓形成術と救急畑の自分はあまりしない手術を
行った.来週は歯突起骨折の後方からの固定の予定.
破裂脳動脈瘤も大分やったので,
もう後進に全部させてあげても
よいかと思っている.
自分の年齢を考えると,
後は出来ることは大分限られている.

今から,新しいところへ行くのではなく,
今いるところで,新機軸,さらには私生活も発展
というのが一番であろう.

「全うする」と言うお話になりつつある.
今の病院で
1)自分のために出来ること.
2)職場のためにできること.など
最後の華を咲かす時期.
まずは,へりくつの前に行動.

と言うのも,
「行くところも,もう無いことが分かった.」
「病院も,自分に対しては高い評価をしてくれている」

答えは「一所で一生懸命」の
時期を迎えたという事実.

それを,まじめに受け止めて「行動」あるのみ.

まあ,グダグダ言わずにやり抜こう.

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