時間管理術の本で,興味深いのは,特殊な職業の人の,
その職業ならではの管理術を書いてある本である.
今までヘッドハンター,コンサルタントから大学教授になった人,
もともと有名な大学教授,会社社長などがある.
それぞれにユニークな部分があり,勉強になる.
あるいは,タイムマネジメント研究会などのように,
そればかりを研究している会の代表が書いた本,
あるいはメタアナリシスのように,
それぞれの時間管理術の良いところを抜粋した本などがある.
読んでいて面白いのは,個人個人の職種に応じた本が面白いが,
自分の仕事とは違う部分もあり,一長一短である.
特に上司の時間の使い方などになると,
医師にはあまり関係がない部分もある.
医師の中では米山医師が書いておられて,
「自分は忙しい中,大学病院で働きながら年間10冊,本を書いた.
今までに180冊書いた」とあるが,
この人の初期の頃の本は,本当に面白かった.
問題は,この人の書いた本は「医学論文」ではない点である.
医師が今のような労働弱者に朽ち果てた現在も「業績」といわれると,
学会発表と論文を言うことが大半である.
夏休みの夜に心マをしたことは,全くそのような形には出てこない.
「承認」と「達成感」すなわち,自分が認められ,
役に立っているとの実感がないと,
仕事のモティベーションは維持できない.
旧態然とした,医師の評価は,いつまで続くのか?
研修医向けの発表の仕方の本,
すこし上級むけの論文の読み方,
書き方の本などはあるが,
それらを統括した時間の割り振りの本がない.