最近読んだ本 3


9月25日
孫子に学ぶ12章
兵法書と古典の成功法則 守屋 洋 角川新書 840円

9月28日
外資系トップの仕事力 ダイヤモンド社

10月3日
夏川草介  神様のカルテ
小学館 1200円+税

この本は,IIが出ているらしいが,
この本には,新人の医師なら,経験する
「人の死」に対する基本的は反応が書いてある.

おそらく,IIでは「人の死」にもなれてきて,
「人間は,死ぬ生き物である.」と達観して,
感情が動かなくなるというか,
「死ぬ前に,しないといけないこと」を考えるようになる.

これは,登場人物のキャラクター作りが
うまくいった例であろう.

宮本武蔵の五輪書では,
別れなどには,全く感情を動かされない人間になる鍛錬が
これでもかと繰り返されている.

60回以上,人を切り殺した後の人間の書物は,
「事実のみに目を向ける」であろう.
別れなどは全く,風のようなもので,
来ては去っていくものである.

普通の人間が医師になって,
順番に死んでいく人間一人一人にドラマがあることに
自分の感情を,その都度揺らしていては,
医師を続けることは不可能であろう.

だから,一般人から医師になりたての部分が
一般の読者に受け入れられるに決まっている.

あまりにプロになって,
宮本武蔵みたいな反応になっては,読んでいるほうは,
面白くもなんともない.

五輪書には,切り捨てた相手に妻がいて母親がいて,
子供がいてなどは一切,考慮されていない.
それは,相手も武蔵も「負けたら,自分が死ぬ」という条件で,
戦っているからである.

病人は,自分が死ねば,病気が勝っても,
病気も行き先がなくなって終わってしまう.
感染症なら別だが・・・

しかし,「死ぬ」ことでも「予想外の病気,事故」で
死ぬのと,「勝負で,負ければ生命が絶たれる」とわかって
いて負けて死ぬのは,状況が違うことは事実.

ちょうど,転移性脳腫瘍の人を手術した
晩に,この本を読んだので,いろいろと考えた.

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