文字通りの「Blue」になる時


連休も,よく働いた.

「先生も大変ですね」「お休みも無いのですね」

話をしている,患者さん当人は「罪の意識は全く無い」

別に急ぐ手術でも何でもないものを,
仕事があるので,連休中は仕事も休みで,その間に脳腫瘍の手術をしてほしい.
とのこと.
もちろん,頼まれたらする.しかも,術後の造影MRIも連休中に撮る.
手術はうまくいって,連休明けには早速退院可能.

連休中の救急外来には,「年に一回MRIを撮った方が良いと言われていた」
と独歩で,なにげに受診してきた人がいる.

そして,専門医の説明を希望.

この人も,「自分が何を要求しているか,全く意識していない.」

自分の仕事は,穴を開けられない.
患者さんも「大事な仕事をしている」のは事実.

それはよくわかるが,
「下僕のように,やって当然のように要求されて,
感謝されない」と言う状況.

あるいは,「下請け企業の悲哀」というと
わかりやすいかも.

ドアマットのような評価.
踏まれても,それがあんたの仕事だろうという
「無意識の上から目線」

コンビニの24時間営業と病院の24時間営業の大きな違いが
全く理解されていない.

病院は「専門の資格を持つ職員が,仕事をしている場所」で
学生さんのバイトでしのげるようなものではない.
ローソン,吉野屋などと同じ感覚で,病院に来る人がいる.

わからない人に話をしても,「この人は,おかしい」と思われるだけである.

まあ,1000年経っても解決しない問題であろう.

実際を知らない人が,「あかひげ」医師が昔あっただろうと大昔に言っていた.
貧乏人からは,お金も取らない.いつでも診てあげる.

その部分のみ強調しているが,小説の赤髭医師は,
帯刀が許されており,
「切り捨て御免」と相手を殺す権限を与えられていたサムライ扱い.

大名からは多額の謝礼をもらい,極悪人を殺せる権限がある.
007をしのぐ権限を持つ「特別なヒト」で表面が貧乏医師な訳である.

その末裔は,「いつでも診察する」「どんなヒトでも診る」
が,ほんとに嫌な相手を「追い出す」権限も無ければ,
自分の私生活を守る権限もない.
ましてや,本物の「役立たずの極悪人」を少なくとも目の前から消してしまう
権限など全くない.

久しぶりに,このブログのタイトル通りの「Doctor’s Blue」を味わった
ゴールデンウィークであった.

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