時間管理は行動管理,行動管理は気持ちの切り替え管理

多くの時間管理術があり,本も道具も一杯買って勉強した.
そもそも論で,「時間の概念」や「システム論」からはじまるもの
あるいは,目の前のものから,とにかくやれという物まで.

1)長期間の時間管理術.
  とにかく,人生全般を鳥瞰図のように図に書いて,
  後,子供の独立まで何年.あと親の葬式まで何年
  自分の引退まで何年など.
  人生そのものを管理する,「大きな人生管理術」
  から,はじまるもの.

  それを「年」「月」「週」と落としていって,
  毎日の仕事をする.というもの.

  まあ,王道と言えば王道.

  皆,10年後の自分の環境など,考えたこともないような毎日を送っている.
  
  老老介護でも,「いつまでもいると思うな元気な奥さん」などと
  標語があるように,「他人任せ」が日本人の特徴.

  葬式の仕方も,考えたことが無い日本人は多い.

  そうやって,終わりから逆算していくのは,
  50歳以降の,子育て,キャリアなどがある程度メドがたった時代の
  それこそ,「残り時間管理術」である.
  
  自分も,仕事内容のシフト,いつまでするか,
  目の前に,これから先のたくさんのイベントがどっさり,横たわっている.
  
  やることは多いが,「身体は一つ」
  だから,時間管理術は必要.

2)目の前の用事をすます「労働,作業時間管理術」

  大半の,時間管理術は,目の前の雑用の山をどうやって,
  「ストレス少なく」「時間内に」「締め切りを守って」
  すますかを書いてある.

  「自分の締め切りを,実際の締め切りより,早く設定」
  「報連相で,常に進捗状況を通達」など,
「出来ることは,並行して.集中して,済まさないと行けない物は,
   それを先に済まして」
   
   一時,多くのdead lineというか締め切りがあった自分が
  行っていた時間管理術.
   大半の本などは,この部分のテクニックの列挙である.
   「仕事が忙しい人のための時間管理術」
   「職場全体での時間管理術」などたくさん,本も出ている.

   あるいはスキルとしての「段取り時間管理術」も提唱されている.
   段取り上手は,時間管理上手というフレーズは耳たこであろう.

3)2,3年あるいは4,5年の「プロジェクト時間管理術
  これは,私生活なら,家を建てる.車を買うなど.
  キャリアアップなら,資格試験を受けるなど.
  これらは,毎日の仕事を短時間に済ますことで,空いた時間に
  考えていく.そして勉強していくというもの.
  その部分も,多くの時間管理術が提出されている.

  「長期計画は忍耐力,短期作業は集中力」などと言われる.
  これは,まわりの協力なしには,なしえない時間管理術なので,
  「自分,関係各位まとめて時間管理術」
  であり,「工程表」みたいなものが必要.
  建築業界では,当たり前のもの,締め切りまでに建物を完成させないと,
  一日の遅れで,1千万以上,多いときは一億の赤字が出たりする世界.
  これは,医療界では「クリパス」みたいなもの.
 

4)「行動管理に基づく時間管理術」
  
  これは,「時間は一定」「24時間は誰でも24時間しかない」
  違うのは,「行動」できるかどうか.
  なので,「時間管理は,行動管理」と説明しているものがある.

  それは,その通り.

  しかし,「なかなか,実行に移せない」
  単純なら,「疲れたら,風呂に入るのもめんどくさい」から
  始まり,「論文の締め切り」「親戚のおみまい」など
  気持ち的に「閾値の高い」ものがあり,
  上記の全ての時間管理を行っても,
  「出来ないものはできない」「やらないものは,やらない」ことが起きる.

  「俺は本気を出していないだけだ」などのいいわけは,
  多くの人が使う.
  
  上達の基本は,かけた「時間」と「費用」に比例している.

  要は,「出来ないでも,表面的には問題になるが,自分の本当の心の中では,
  まあ,どうでも良い」と思っていることは,
  どんな,表面的な時間管理術を行っても,できない.

  「本当は,出来なくても,やらなくても良いこと」で
  仕方なしに,すること,頼まれたことは,どんどん後回しになるもの.

  それらを「断捨離」とかで,「本当はしなくても良いならするな」
  と決めさせる本もたくさんある.

  自分は,「今の今」なら,夜の宴会に出るぐらいなら,7000円だして,
  車で10分のところから出港できるナイトシーバスフライフィッシングに行きたい.

  それが本音であり,最近は宴会も「お金提供係」なだけなので,
  そういう風にしている.それで,遊び時間は捻出できる.
  夜中が仕事人の最後のオアシスなのに,
  不必要なことに時間をとられるのは,もう良い.

  宴会も年間20から30回は,社会人になって出席している.
  宴会は,忘年会,新年会,個別の会などで,
  年間20回として,社会人30年なら600回は出ている.

  平均7000円なら,420万円は使ったことになるか・・・・

  時代時代で,流行り物も変わった.
  もう,自分のやりたいことをしても良いであろう.

  ほんとに,ビンゴの司会をしたり,プールバーに
  皆を連れて行ったり,あれは,いったい何だったのか?????
  

  また,楽しいことがあって,「仕事,本業」に戻るには,
  なかなか,気持ちの転換ができない.

  ・・・・・・
  ・・・・・・

  やり出したら,自分も仕事,作業,講演会の準備と
  ノンストップで,ノマドドクターらしく,どこでも,いつでも
  どんどん,やり続ける.

  しかし,一旦,趣味のことを始めると,なかなか,もとの仕事に戻れない.

 5)最後に出てきて,自分に当てはまるのは,
   「気持ちの切り替え時間管理術」

   楽しかったことを,思い出したり,その時の写真を眺めていると,
  「時間(とき)の経つのも忘れる」のは,人間の本性.

  そうでないと,生きていけない.

  この週末に,ボートでシーバスフライフィッシングを予約していた.
  その後で,その次の日曜日に20分間の講演を頼まれた.

単純に言えば,
  5月6日に検査をして,7日に2名患者さん退院.
  連休中に入院して手術を済ましたい人は,2日に手術した.
  連休中は,毎日,回診.

  その人が連休明けに退院する.
 
  連休に予定のある人は,それが済んで7日に入院,8日のオペの患者さんあり.
  その準備もしないと・・・
  10日にボートでシーバスフライフィッシング予約した後で,
  11日には20分間講演依頼,そのスライド作成を今からしないといけない.
  普通は講演が終わって,「釣り」が入れば,開放感と相まってさぞ楽しいと思うが,
  こちらの都合ではそうは,行かない.
  
  それまでに,今日明日中に,部屋にある古本の処分.
  2名分の手術記録の完成.
  出張願い,これらは10分で済むが,やり始めたら,
  楽しかった4日の夕方のフライフィッシングの気持ちが,
  それで終わりになってしまう.

  自分の気持ち,心構えを,「仕事」「遊び」「家族」「個人」と
  ジェットコースターみたいに,変えないといけない.
  
  その変化がどんどん早くなると人間の気持ちは,「壊れてしまう」様な気がする.
  

  「時間管理は行動管理」の前に「気持ち,心構えの管理」が大事.
  
   単純な人生,あるいは,寝たきりの人生,究極は植物状態
   の生存は,「人間が生きること」とは異なる.

   何をどれだけしたかが人生と言う考え方なら,
   バーンアウトしないように,少しずつ「落ち着いて」
   「自分の気持ちと寄り添いながら」
   「遊び,仕事,地域,家庭内での役割」などをやっていくのが,
   「究極の時間管理」であろう.

   全く,毎日がヒマで,年金でパチンコが人生です.
   食べ物は,コンビニで,日がな一日テレビを見て,
   というタイプの人には,
   自分のいう「気持ち管理の時間管理術」は不必要だし,
   その人自身が「壊れてしまう」印象.

  まあ,時間管理は行動管理,
  行動の管理は,
  「気持ち,情緒,心構えの管理」
  「メンタル and エモーション and モチベーション コントロール」であろう.

  「無理なものは無理」と断る勇気は,今はたくさんある.
  その理由は,
  「能力は3倍あっても,身体は一つ.ある時に,一つの身体で,
   3カ所では活動できない」
  が,主である.
  「出来ることはわかりきっているが,同時に別のことは出来ない.」
  もっと具体的には,
   「一人の患者の手術中に,もう一人の手術は出来ない」
   いくら,時間管理をしても,人間の身体は一つ.
   
  

  「気持ち管理の時間管理術」が
   究極の「多彩な人生のための時間管理術」であろう.

  こうやって,文章にまとめて,はじめて,
  まあ,連休中だけど,すこしは「やるべきことをやろうか」という
  「気持ち」になるわけです.
  

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