保険会社は何を考えているのか?
最近,外来をしていて奇妙なことに気がついた.
一人目は,交通事故後,他の病院でみてもらっていたが,
その外来医師は内科医である.持病の続きで診てもらっていた.
それで相談のために患者さんを紹介してきた.
その次には,保険会社のひとが,「ここでこれから診てもらうように」
と患者に電話をしたらしい.
自分はアドバイスをしただけで,その患者をはじめから
診ていたわけでもないし,今後診ないといけない理由がない.
一度みたら,途中からでも自分がみないといけないのか?
「下請け企業の悲哀」が少しわかった気分.
次の週の外来では,半年以上前の交通事故で同じように
症状がある人が来て,自分のところでは無理で
ペインセンターに紹介した.
またその人が受診してきた.
患者さんが言うには
保険会社の人がこちらで後遺症診断を書いてもらうように
と言った.とのこと.
今までずっと見ていた医師たちはどこに行った???
なぜ,途中で一回しか見ていない自分が後遺症診断書を書くのか??
診療拒否はするつもりはないが,今まで治療していた医師を
差し置いて,自分がそのようなものを書けるわけがない.
しかも自分は治療がいるだろうと他院に紹介している.
保険会社の人は「頭がおかしい」に違いない.
書いてはいけない.絶対いけない.
大きなワナがあるような違和感を受ける.
以前,大阪で感じたような「なにか良くない」感じ.
ダブルブービートラップであろう.
*ダブルブービートラップは,昔ヴェトナム戦争当時の
ヴェトコンのゲリラが仕掛けたワナのこと.
初期は,ジャングルなら落とし穴を仕掛けれておけば,
うぶな米兵が落ちてくれた.
しかし,米軍も警戒しだすと「落とし穴」はすぐにわかる.
そして落とし穴を迂回する.
迂回すると,そのエリアにワイヤーを張ってある.ワイヤーに当たると
そこへ何本もの矢が飛んできたり,手榴弾が破裂したりするように
二番目のワナを仕掛けておくこと.
一つ目も二つ目も巧妙に仕掛けられていた.
一つ目を回避できたら,人間は気が緩む.
そして,ピンッと何かに足が当たる.そこで手榴弾が爆発して
その兵隊は木っ端みじんになる.
関係ないが,「最も優秀な武器」は,
「もっとも身体をグチャグチャに壊して,悲惨な状態にして,
しばらくは絶叫して,その後なくなり,
周りの生き残った兵隊の戦闘意欲をそぐもの」が答えらしい.
その武器でやられたら,天使のように羽が生えて
あとかたもなく雲の上に消えてしまうような武器は
ダメらしい.
あやしい保険会社たち.