先日は,ひさしぶりに大きな多形膠芽腫の手術をした.
今の最先端は,
1)錐体路を画像にtractgraphyでだして,それをナビゲーターに入れる.
2)フェンスポストを硬膜を開ける前にナビから計算して立てる.
3)MEPを術中モニター,最後は白質刺激で錐体路までの距離をはかる.
4)5-ALAなどを麻酔前3時間に内服させて,蛍光顕微鏡でみて,残りを取る.
以上の組み合わせで,「造影される部位」は全摘する.
である.
4)は自分の勤める病院では無理なので,他は,努力して行った.
そして,今は,翌日に造影MRIを撮影して造影された部位がどれだけ取れているかの確認.
自分も翌日造影MRIを撮ってみた.
なんとか全部,腫瘍はとれていた.術後も麻痺はなかった.
普通の技術しかない医師でも,周りの技術のブレークスルーで
以前なら到達できなかったレベルまで除去できるようになった.
手術用の技術,装置開発は,自分のようなありふれたレベルの術者でも,
30年前の達人と同じぐらいの手術が計算しながら出来るようになるために
開発されてきたものである.
以前は,どうやったら良いのか手術中でもグリブラの場合,戸惑うことも多かった.
最近は手術の時に,自分のようなものがさせていただくということを
感謝するようになった.