「節税のことでお電話を」 当直中の変わった出来事と専門医としての生活

土曜日は当直というか,日直,当直であった.
まあ,11:40ごろから外来の終わりごろから急患がきて,
夜の21時まで昼食も夕食も食べられなかった.
まあ,そこから脳梗塞かと思ったら,慢性硬膜下血腫だった人が
来て,そのまま手術.

その直前に,○○医療センターから電話があった.
18年前にいたところの脳外科医師から電話で,
「間違ってかかってきたから転送する」とのこと.
電話に出てみると
「SE?の田中といいます.節税の件でお電話させていただきました」
と,よくある,いつものマンション勧誘の電話である.

大昔の従業員リストからかけて来て,病院間の電話転送でこちらまで到達した.
「今,救急で忙しい」というと
しつこく,「先生のお時間のとれる時はいつごろ?」と21時ごろに
ペラペラと軽い調子でしゃべり続ける.
「切るよ」と言って切った.

何事もなかったかのように,周りも仕事.自分も仕事.

そして手術もすんで,
朝6時に,ある田舎の消防署から電話,
「腰痛でみてほしい人が,おたくの病院のカードをもっていますが,
診てくれますか?」
「どうぞ,救急車ですか? どれぐらいかかりますか?」
「いま,本人が腰痛で消防署に来て,診てくれる病院はどこか聞いているんです.
自分の車でいかれるとのこと」
とのこと.
「?・・・?.」とりあえず,「来てもらってください」と答えた.
「30-40分かかるそうです」
「どうぞ」

日曜日の朝7時に腰痛の人来院.
「?」
実は,1か月前に,腰痛で来ていた.
要は,少し認知症になりかけている夫婦.
腰痛の女性本人は,受診中,ひとこともしゃべらず.
夫が「ここの薬は効かなかったので,大学に行った.
内服して効いたが,こんどは起き上がれなくなった.
そして,昨日薬をやめてみたら,今度は腰痛,下肢が痛くなった.
どうしたらよいか?」

そして,「知り合いがこれが効く」といった漢方薬の説明書をもってきて,
その薬を希望.それはあったので,処方した.

「ここは塗り薬しかでなかった」とのはなし.
カルテをみると,飲み薬はでているが,塗り薬は処方されていない.
それを説明すると,「忘れてしもうた」とのこと.

その年になり,認知症にもなれば,
日曜の早朝が時間外で当直で,その時のみの対応しかできない
など,頭からは,なくなっているだろうと納得した.

一生懸命なのはわかるが,
すこし,つらい感じは否めない.

自分も物忘れはどんどんおきている.

自分がかかった病院も忘れて,消防署に早朝相談.
処方された薬も忘れて,違う病院の薬について相談.

自分も,こうなるかな??

それから,日曜日は,一日中
書類書き,
水曜日の医局会のスライド完成.
本の原稿の校正.(これは本日郵送した)とすまして
今年(2010年)5回目の学会発表の抄録を手直しして,ネットで登録.
なんとか,月曜の2時までにやりぬいて寝た.

本当はそれで月曜は,休める日だったので,
ダムでプロのガイドを雇ってフライフィッシングに行く予定だったが,
雨がふったので中止の電話をした.
その分,今日も,狂ったように働いた.

今日は,これから今週の土曜日の学会のスライド作りである.

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