謎の一般外来システム
その当時,働いていた病院が鳴り物入りで
開院して驚いたことがある。
外来でのナースの役割の変化である。
最初の一年間で自分の外来の診察室に
ナースが入ってきたのは3回だけである。
1回は、初期の頃、予約入院の手続きを
どのようにすれば良いかわからなかった。
入院予約をすることは電子カルテで出来る。
その次に、何時に何を準備して何処に来たら良いのかが
全く説明が出来ない。
そこでナースを呼びに言って、入ってきてもらい、
「それは、受付何番に帰りに寄ったら説明があります。」と言ってくれた。
なるほど、次回からは一人で出来る。
そこは病院本体とは別会社が仕切ってくれている部門である。
その次は、血圧が高すぎて診察室にある自動血圧計では測れなかった時に、
遠くにいるナースに水銀柱ではかるものを持ってきて貰い測定した。
3回目は診察室で気分が悪くなった患者を
ベッドに寝かした時に入ってきて貰った。
記憶にあるのはその3回だけ。
後は診察室のドアを開けてて患者を呼びに行って連れて入って、
血圧はかって所見を取ってとすべて一人である。
とんちんかんなおじいさんや、グチを言いに来たおばあさん達を、
「まあまあ、お話はこちらで」などと差配人のように
交通整理してくれるベテランナースは全くいない。
初診で1時間半かかる患者もざらである。
こちらは昼食も取れず、トイレも行けない。
それでも患者の待ち時間は2時間越える。
途中で、この長い待ち時間の間に血圧だけでもナースが
別の部屋ではかってくれたら、
一人3分で30人で、1時間半も時間が短縮する事に気がついた。
なんとか根回しして、上司にもお願いしていただき、
開院して1年半後には血圧を別の部屋で
自動測定器で測ってくれるようになった。
それを電子カルテに入力してくれている。
それでも自分の患者は殺到し、この7月に閉鎖となった。
その理由は、また今度。