院長のかけた魔法

毎日働いていると分からなくなる.

それは,自分の年齢.

イメージとしては,

ディズニーランドに遊びに行けば,
いつでも同じように,自分が若い時と同じように,
出しもの,アトラクションがある.
おそらく60年以上は,ミッキーマウスは
年を取っていない.
本当は彼は,
「白髪で杖をついて,入れ歯をしている年齢に達している」はず.
それでも,毎日,若々しくダンスをしている.

自分の働いている病院は,離職率の低さが売り.

ということは,同じヒト達がずっと働いている.
メインのヒトは同じ.やっていることも同じ.

イメージとしては,ディズニーなら
着ぐるみをきて踊っているのが,
病院なら「白衣を着て働いている」違い.
いわば,テーマパークと同じ.
病院なら医師がいて,ナースがいて
検査技師,放射線技師がいてと役割が決まっている.

そうなれば,話は簡単.
白衣を着て,朝挨拶をして,外来をして
手術をして,回診して,書類を書いて
当直をしてなどは,「ある種の役割を演じている」
ことになる.白衣の中身の医師自身の
「膝が痛い」「歯が欠けた,虫歯の治療にいかないと」
「昼ご飯も食べる時間がなかった」などは,
まわりのカスタマ-,お客さん,要は患者さん,家族,
見舞客などからは,全く見えず考えもされていない.

自分もミッキーやミニーの中のヒトが
「今日は歯医者にいかないと」など考えているなどは,
想像もしていない.

中身のダンサーが年をとれば,次のヒトが
それを受け継ぐ.要は「アイコン」「役割」
を演じ続けるのが,大事.

私服を着て町で買い物をしている知り合いの
ドクターに会うこともあるが,それは
ミッキー,グーフィーなどの中身のダンサー同士が
町で挨拶をするようなもの.

病院の中で,働くということは,役割を演じるということ.
そうなれば,何才になっても一定の役割なので,
「年を取る」という概念は無くなる.
本当に身体が動かなくなれば,次の「役割を演じる」ヒトに
変わってもらうということになる.
従って,病院もディズニーランドも,そこの
職員,というかキャラクター,アイコン
は年を取らないと言う結論になる.

錯覚したらいけないのは,「役割を演じている自分」
が引退するときに,退職金と一緒に玉手箱をもらう.
その玉手箱をあけたら,「一気に本当の年齢になる」
という事実であろう.
いわゆる,社会での実年齢.
ミッキーは年を取らないけど,中身のダンサーは
腰も曲がるし,入れ歯もいれる.

院長を見ていて,見た目の役割はどんなものか,
「演じている」姿というのはどういうものか
考えた.
ディズニーランドの創始者は無くなっても,中の
キャラクターは年を取らずに,動いている.
そして,子供達はそれらに入門して,卒業していく.

自分も役割を演じ続けて30年.
表面的なやっていることは変わっていないので,
仕事中は年齢を忘れる.

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