面白い救急指定病院

2007年に働いていた病院の近辺での話.

 

先日,一次救急を断られた患者が
こちらに運ばれてきた.

そこの医師は,
「生き死にに関係ない救急はうちでは診ない.
他へ行ってくれ」と断ったとのこと.
そこの病院からは
多くの救急患者が運ばれてくる.
その時の紹介状には
「本日は診療体制が弱いため,よろしくお願いします.」
と書いてある.

毎回毎回そのように書いてある.

その病院が「生き死にに関係ない急患はみない」と断っている.
ほしいのは患者さんではなく,補助金であろう.
それぞれ事情はもちろんあるとは思います.

この1年で,救急指定病院が全国でたくさん
減少したにもかかわらず,
自分の住む県はひとつ増えている.
その回答は,まことに簡単,
補助金が降りるからである.
しかも
田舎の最貧県でも,東京でも同じ程度のお金が下りる.
相対的な価値は個人の年収が280万円ぐらいで,
全国最下位の県においては,絶大な価値を持つ.

そして,救急救命の指定病院となっておいて,
患者をさらに高次の救命救急センターに,
一次,二次,三次と丸投げする.

収益になる患者だけを診る.
最貧県で全国と同じお金が下りるもの,
それはダムや橋の工事費であったが,
それは,もう作り上げた.

最後に残った全国均一のお金がもらえるもの
はなんですか? 
東京で手術しても田舎で手術しても
同じ料金が手に入るものは?
医療費である.
だから田舎にある最大の産業は医療産業ということになる.
多くの土着の部族が生き残ろうと
うごめいている様にみえる.
歴史的に言えば,戦国時代の一歩手前の,
地方の小さな豪族たちの
争いのような状況.
サ○セ○カ○や,ト○シ○ウ○イなどの全国チェーンは
入ってこない.どうしてか? 
土着の信仰心がある住人たちに,全国チェーンは,なじまない.
そもそも利益が上がらない病院に医師もよべない.

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