学会・研究会発表のスライドの作り方 その1 概念

自分自身のためにも,まとめてみたい.

話題は限定して,5-7分の発表に関しての話とする.

30分,1時間の講演用のスライド作りは,
6分の学会発表の作り方とはまた,違う.

まず,スライドとポスターは違う.

何が違うか?

1)ポスター発表は,文章を全部うつこと.

結論
 この○○では,△△であった.
考察 
  ○○の機序が働いていると思われる.

と最後まで「です」「マス」にするか「である」にするかは
別にして,文章を完結しないといけない.

スライドの体裁について
2)スライドはキーワードを打つこと.
  完結した文章を打たないこと.
  ましてや,そのキーワードの説明の文章を打ったりしないこと.

  結果も,できるだけ列挙すること.
  それを口で説明すること.
  oral presentationの基本は,oral であってスライドの文章ではない.

3)スライドの文字の色:
  一般的に推奨されているのは,4色まで.
  ボールペンの色を考えれば,黒,青,赤,緑までである.
  現実的に何十色も色を加える人は見たことはない.

4)文字の大きさ
  多くの本に書いてある基本の基本は,
  可能な限り大きなポイントにすること.
  全体のバランスを壊さない範囲で一番大きなポイントにする.
  全体を20ポイント程度の大きさで作る若い人がいるが,
  大きな間違いである.

自分が見えても,学会会場の後ろからはまったく見えない.
  基本は,自分が分かればよいのではなく,会場の人が見やすいために
  スライドを作っていることを忘れたらだめ.

5)背景と文字の色
  これは,40歳前後で大きく異なる.

  聴衆がどんな人かで背景と文字の色は変わる.
  40歳までの人にとっては,バックが黒っぽい,
  濃紺などで,
  文字が白,黄色が見えやすい.

  しかし,40以上の高齢者が主体の場合,
  背景は白,薄い明るい黄色,文字は黒,濃紺のほうが見えやすい. 

  スライド発表のとき,以前は部屋を真っ暗にして発表していた.
  バックがさらに黒く文字が白で,それが小さいポイントでは,
  視力検査のようになり,目が疲れる.
  今は,補助燈のような明りは天井からついて,会場全体が
  ほんのりと明るい.

  どんな人たちが聞きに来るかを,あらかじめ聞いたり,考えたり
  しないとスライドの背景と文字の色は決まらない.

  初めてスライドを作る人,要は22-25歳ぐらいの人は
  暗いバックに白い文字になりやすいが,自分が話す相手たちのために
  スライドを作っているのであって,
  自分のために作っているのではないことを
  最初に理解することが必要.

6)スライド1枚当たりの文字の数
  40-60文字まで
  文章は3つまで,
  などと書いてある.
  実際は,演者,発表者が一枚分を読み上げる間に
  聴衆は,斜めにスライドを2回見直すことができるスピードが
  一番スライドの理解が得られやすいとされている.
  あまりに早くしゃべらないとそのスライドが時間内にすまないようでは,
  書いてある量が多すぎることである.
  

  これらは,基本の基本.背景と文字についての話.

6)フォントは何を使うか?
 あまりにポップなイメージの文字は使わないほうがよい.
 プロの学会発表であって,内々の旅行の報告会ではない.

  吹き出しや,下のほうにコメントを入れたりの今のテレビみたいな
  ことは,するべきではない. 

  簡単にいえば,英語や半角数字はTimes New Romanで,
  日本語は,MSゴシックになると思う.

 

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