30分で鳴るように
医師の書いた時間管理本では,
「吉田たかよし」と言う人の本が面白い.
この人は,アナウンサー,医師,
衆議院議員の秘書を経験してキャスター,
役者をしたと言うのが,セールスポイントである.
決して,患者を大勢診たり,緊急手術をしたり急患で
起こされたりはしていないので,
文字通り「医師になった」と表現しており,
そのとおりであろうと思う.
医師として多くの患者を診察したとは一言も書いていない.
医学を勉強したと言うことである.
幾つかの本に書いてあるが,
携帯電話を30分ずつ鳴るようにアラームをつけておく.
その間に集中してひとつの仕事をすます.
と言う方法.
これは他の人の本にも書いてある.
これは,夜に書類を書く時に使っている.
携帯の目覚まし時計を30分後に設定して,
その間に,一人分の書類をすます.
早く済めば,もう一人すます.
意外とそうやって書類を書き始めてみると
「無理なものは無理」とわかるし,
簡単に書けてしまう書類もあることがわかり,
ただ「嫌だなー」「めんどくさいなー」と思って
じっとしているよりは,はるかに解決に結びつくとわかった.
その方法で書類を書いていた時,急患で呼ばれた.
気管挿管が必要で,口が開かないため筋弛緩薬をうって
血まみれの口を開けたところで,
自分の30分後に鳴るように設定していたアラームがなった.
みな,一体どのアラーム,
要するにICUに入室していたので,
アラーム音はたくさんあるので探したが不明であった.
自分のズボンの後ろのポケットにあるものが
鳴っていると皆が気がついて,
それを上司が引き出して止めた.
もう一度仕切りなおしで,何とか挿管は出来た.
まだ設定してから,あれもこれも仕事をしたようだが
30分経過していなかったことがわかった.
意外と,時間はたっぷりあるもんだというのが印象.
そこで元に戻るのが,「吉田たかよし」氏の本である.
人間の一日の時間管理を,あたかもロボットが無理無駄ムラを省いて,
休み無く無機質に動くようにしたりしても,
しばらくすると発想が貧困になったり,
知識が頭に入らなくなったりと,
人間の脳は耐えられなくなるということをちゃんと書いてある.
「脳を活かす」と言う観点からかいてあるので,
わかりやすい.
要は,疲れてもなんとか仕事を仕上げて,
次の日の予定も立ててと,
自分の脳をうまく使ってやるのが,
時間管理の要諦というか,
時間攻略の第一歩であるということ.