時間とお金の関係 2007年の記録

Time is Moneyの解釈

よくある解釈

(1) 時間を無駄にすると,大事な商機を失ったり,
遅刻したりすると,仕事上の穴をあけてしまい,
お金というか仕事上の売り上げが落ちるような
イメージの解釈であろう.

(2)解釈その(1)からの連続的な拡大解釈で,
時間を失うことはお金を失うことと同じである.
というものである.

 確かに,大事な約束に遅れたり,
建築物でも1ヶ月納期に遅れたりすれば遅延金を払わないといけないし,
税金を滞納すれば利息も払わないといけない.
借金にしても,時間が経てば利息は複利で大変な勢いで増えていく.
  
ということで,失う方向では,正しい時間,
あるいは締め切りを守らなければお金を失うという意味で
同じように使われることがある.
時間もお金も使える量は有限という意味でも,
同じである.

 ところで,プラスのほうではどうか?

(1)お金はためることが出来る.
一日250円ずつ貯金すれば,4日で千円たまる.
  
時間は,ためられない.一定のペースで失われていく.

15分ずつ毎日時間が浮いたので,
その間に出来る仕事をして4日経てば1時間分の仕事が出来ますか?という質問.
  
答えはNOである.
ある仕事の準備に15分かかるものなら,
準備だけに終わる.

  次の日に,15分で続きが出来るならよいが,
お湯を沸かさないといけないものなら,
毎回お湯を沸かしたところで終わりとなる.
要するに15分を4日間もらっても,全くできない.
4日間のうちに1時間まとめてもらえばそれですんでしまうものを,
15分4回では,0に等しい.

足し算の意味では,「お金≠時間」となる.

あたかも隙間時間に頑張ってやれば,
うまく行くような時間管理術の本はいっぱいある.

2時間で済む手術を,
一日15分ずつ空いた時間に行って8日間で行う外科
医がいるか?
  
分割出来るかどうかという意味でも,
ある仕事にかかる時間では
「お金≠時間」である.
  
最近,ようやくそのことが書いてある時間管理術の本を読んだ.
隙間時間を利用しようという本はたくさんあって,
その本も,あいた時間があれば,こまごまとした雑用をどこでも出来る,
済ませるように持ち歩けと書いてあるが,
決して15分が4回あれば,
1時間分の仕事の四分の一がすむわけではないと書いてある.
  
そうではなくて,
自分の時間を1時間まとめて取れるようにすることが
大事なのであると書いてある.その通りと思う.
自分に有利な時間をまとめて確保することが,
大事でありお金と同じに考えてはいけない.

(3)お金で時間を買うと言う発想.
  これも多い.簡単に言えば,単身赴任先から自宅に帰るのに,
自分で運転するのではなく高速バスにのれば,寝る時間がもらえる.
この場合は,
高速道路代が自分で自分の車を運転して往復で
14000円もするところでバスに乗れば眠れて6000円なら,
普通は安いし眠れるのだからそうする.

一般には,高いお金をかけて快適で短時間の移動が得られるから,
お金を出して時間を買おうという解釈がされる.

あるいは自分の不得意な部分をいまさら自力で時間をかけて行うより
得意な人を雇った方がお金はいるかもしれないが,
多くの無駄な時間が省けるので,
結局は時間も稼げて収益も上がるという解釈である.

 自分で言えば,当直料金2万円をもらって
一晩徹夜で働いて,次の日に朝から通常の仕事をして
,その次の日には学会発表などであれば,
当直を代わってもらえる人には,
さらに2万円だしてもよいので代わって貰いたい.

お金を出して時間を買うという直接的な行動である.
そりゃ,それまでに準備が出来ていなければ学会の準備がしたい.

実際はそのようにならないように,
あらかじめ頑張って空いた時間にしなさいというのが
今までの時間管理術の基本で,多くの人がむなしく努力をしたと思う.

しかし少しの空いた時間があれば,
学会の準備が少しずつ出来るという人は,
かなりの場数を踏んで,ノウハウも身についた人のみであろう.

何が大事で,ポイントはこの二つなどわかりきっているのなら,
それは発表のネタとしては新しくない可能性がある.
珍しく新しいから発表のネタになるわけなので,
延々と論文も読まないといけないし,
最後の最後まで,うまく形にならないことが多い.

学会の2週間前に1時間突然自分が使えても,
知識を集めることぐらいしかできない.
直前に1時間あけば,
きれいなスライドを強調したいようにできる.
  
その意味で,お金を使って,
自分の代わりに何かをしてもらうという意味で
時間を買うことが出来るので,
Money is Time.と書いてある本もある.
 
 ところで,お金は時間だけでなく,
多くのものが買える.
そもそも経済活動の基盤であるので,
お金が無いことには,食事もできない.
お金を出してでも,
時間がほしいという切実な気持ちは,みな持っていると思う.

  

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