自分の予想を1年11ヶ月前倒しの問題 2015/5/31 医療崩壊とその先の展開 日本に300以上ある「地域支援病院」 もともとは地域の医師会病院など,機材の共同利用などで半分,おおやけだが資金繰りがきつい病院への補助が目的だったはず.それに日赤,労災など有名病院が参入してきたのが歴史. そのなかで,当直が「60才まで」という文字通りのオンリーワンホスピタルがある. そういう病院の年齢構成を調べて, 当直体制がどうなるかを自分は検討した. 自分の仮説の立て方は, 「今年59才が2名いるので,来年は当直可能な 医師が2名減る.そうなると月に○○回分,当直が減るのでどうするか?」 という計算をしていた. それが「一番若い医師が休職となると」 根底からひっくり返る. 年齢が上から抜けるなら,順番なので計算は可能. しかし下の端から抜けるとなると, たちまち,全員が困る. どうやって,カバーするのか?? まあ普通に考えられるのが, 1)大学病院医局に,当直をさらに頼む. 2)ネットで,医師を募集. なかなか,こちらの都合の良い医師は来ない. それは,お互い様 3)当直業務を減らす. 夜中は,もうウォークインは診ない. 救急車だけは診る. 必然的に残された医師の当直回数が増えるので, そうなるしか無い. そうなると,ずっと診ていた患者も診なくなるので, 評判は下がる. 「若い医師を集める努力を惜しんだ. ノウハウを蓄積しなかった」つけが回ってきた.自分は先月「このままの医師の年齢構成なら, あと,2-3年で救急体制は破綻する」と予測したが, それは,「上から順番に抜ける計算をしていたから」 「一番若い医師から抜ける」ことは想定していなかった. ということで,たちまち年末,年始の当直が組めない状態に. 年金みたいに60才で当直免除で楽になるのではなく, 63才までとか,徐々に当直免除の年齢を上げていくのか???? 日本全体が限界集落になりつつあるのに, 病院の医師だけが「夏の太陽の照りつける珊瑚礁の海」 みたいな若さと熱気あふれる状態が維持される など考えない方が正しい.