自分は特殊な疾患を一時期診療していた.
まあ,特殊でなくても,今の時代は
「病気は,良くなるのが医療」であって,
「そうでないのは,医師個人の責任」というのが流れである.
「病院は治して当たり前,
それ以上の感動のサービスを与えるのが良い病院」
となっている.
ある大学病院で診てもらって良くならなかった.
違う大学病院に行って治療してもらったら,却って悪くなった.
その続きは?
答えは簡単.
どうすれば,良いのか?
どうしても,面倒なことに巻き込まれないようにするには,
病人を診療しないことになる.
25年ぐらい前の入院誓約書はすごかった.
「医療に関して一切の不平は言わず,悪い結果が出ても一切の不服,不平は
申しません」という文章があったと覚えている.
国立病院.大学病院も同様の文章であったと覚えている.
その頃の日本人はナイーブだったから,真に受けていたのかも.
今の誓約書は,他の患者に迷惑をかけない,
入院費用は必ず払うなどが書いてあると思う.
いつ頃からこれらの文言が消えたのかを調べれば,
「病院はホテル並みのサービスを」という間違った最終形にたどりつく
最上流というか,変化の源流を見つけることができると思う.