都会(まち)のネズミと田舎のネズミ

先日,外来におじいさんに連れられて女子高生?が連れられて受診.
都会の友達(?)の所へ遊びに行っていて,21時に暴行をうけた.
翌日そこの警察に行った.そして,地元のこちらの県警に連絡があった.
その祖父が迎えにいった.
帰宅して,当院受診.
顔面殴打.頭髪は燃やされたので,丸坊主,太ももは剃刀で数か所切られている.
身体には煙草の押しつけられた痕.
頭部,鼻骨などの精査.
おじいさんの言うには,刑事事件にするには,何回もそこまでいかないといけないらしい.
そんなことはできないという口ぶりであった.

おそらく,友達が女性かどうかは不明だが,ほとんどその一族とは
関係のない場所であったのだろう.

夏休みに遊びにいったのであろうが,
見た目はかわいらしく,ナイスボディで,足もすらりとして,スタイルもよい.

形成外科の日に来てもらう段取り,
翌日ナースが自宅に予約日のことで電話すると,母親は
「そんなことがあったのか?.こっちも仕事があるし」
保健は生保になっていた.

なんとはなしに,この女の子の将来も,段々,ねじれて行ってしまう危惧がある.

全体像は,大人の,都会のきらびやかな表面にあこがれる田舎の15歳の女の子
が,田舎は面白くないから,誘われて出て行ってみたというところであろう.

しかし,「おまち」に出ていけば,危険度はあがる.

顔もスタイルもよい.田舎では,それでも脚光はあびないであろう.
自分自身も,その商品価値というか魅力を利用する術もない.

童話で,田舎のネズミが都会のネズミのところにあそびに行き,
おいしいケーキやきれいな夜景をみて楽しんでいたら,車にはねられそうになり,
「こんな危険なところは自分には向いてない」と田舎に帰る話がある.

診察しながら,ふと,そんな話を思い出した.

行方不明,死亡などにならなかっただけ幸せだったと思わないと.

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする