いつでもとれます.

このまえ,老健施設を運営する整形外科病院(A)から紹介された患者さんは
慢性硬膜下血腫で,当日手術.
高齢で通院は大変と家族の話.
翌日には,「そこの老健は切られた」とのこと.
そこの老健の職員は「Aはいつでもとってくれる」と家族に説明したらしい.

そこで,休みの日なら都合がよいので,直近の休みを希望.
こちらは休みの日でも退院は可能.
話は一見まとまったような.
しかし,地域連携室の人がAに連絡すると
「だれがそんなことを決めたのですか?」とAでは怒っている.

「いつでも」に休日,土日は入っていない.
しかも自分のところの経営する老健には,もう戻せない.

結局,翌週の週初めに転院と決定.

思いだしたのが,以前の医療センターにいた時
10時前に受付に来た男性が「MRIはいつ撮れますか?」と質問.
受付の女性は「いつでもとれます」と返事した.
そして外来受付.
自分の診察室にはいってくると
「ほかの脳外科病院では14時から撮れるといわれた.こちらに来たら
いつでもとれるとのことだから今から撮ってほしい」

「症状は何がありますか?」

「一ヶ月後に出張があるので,念のために調べてほしい.」

「・・・・・」
なんとかかんとかMRI室に事情を説明して,
「受付が言ってしまった以上,仕方がない」と撮ってもらった.

その後は,TIAできた患者が3時間待ちになってしまったのは別の話.

「いつなら大丈夫か?」と質問があるとき,
「(通常の時間で,ベッドが空いているときは)いつでも転院を受けます.」
「(症状が急変したりすれば,夜中でも救急でも)必要と医師が診断すればいつでもMRIを撮ります」

の意味で職員は答えているが,
自分の都合以外はまったく考えていない人には.その人なりの正解を導きだす.

まあ,簡単にまとめれば,「一歩ゆずれば,二歩踏み込まれる」というところ.

興味深い.

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