病院の一生 その2

昨晩は、他の病院で当直

まあ,一代でなくなる病院の特徴を備えている.

来年の春には,吸収合併され,大きくなる病院のベッド数に加算される.

日本全体の病床数は増やさないという厚労省の方針.

ということは,大きくなろうと思えば,他の赤字病院を買うこと.
その借金ごと買うことしか,自分の病院のベッド数は増やせない.

赤字病院は全国の公立病院なら9割ある.
私立の病院も同じような状況.

勝ち組が,負け組,その他大勢組のベッドを買って,
改築の時に増床するのが基本.

昨日の40床の病院,ほかにも,学生時代にはその病院の前を通っていた
数十床の病院も,地域に根差した,庶民のかかりつけ兼,軽傷の時の入院先
.大きく郊外に移転する有名病院の関連病院になっているが,移転が終了すれば,
そこは閉院予定.その間は赤字を垂れ流している.
無床のクリニックなどにしても,人件費,維持費で赤字を垂れ流すだけ.
要は,つぶした方が,その病院関連の人たちのため.
また患者数も,一日に数えるほどになっている.

一番,もうかりにくいゾーンの個人病院.
日本を発展させ,支えてきた人達と共に育った病院.
今は,その人たちが,高齢化して支えられないといけない.
その人たちと同じ状態の病院が大量にできても,全く何の不思議も疑問もない.

共通点は
1)50床前後
2)医師個人が立てた.
3)一般内科,消化器外科
4)地域の人口が20-30年で減少した.あるいは人口比率が変わった.
5)初代医師が高齢化した.知っているところはすべて80歳を超えいていた.
  要は,医師の自分個人の一生であったのであろう.
6)時代の波:電子カルテ化,レセプトの電子化などについていけない.
  ついていく理由は無いよ.
  80歳の人に,ローンを貸し付けるところは,ない.

病院は世につれ,世は病院につれ

なのか,新しい患者ゾーンは,どこにあるのか,

お金持ちになった中国人に来てもらう?
それをグローバル化と呼ぶ?

つぶれそうな,昭和の雰囲気のある当直室で,いろいろと考えてみた.

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