医療崩壊は医局崩壊と連動
先日,他の科の先生が,同門会に出席したらしい.
出席医師はものすごく減少していた由.
これからも医局人事で動かなくなった医師にとって,
同門会はかえって出席しにくいものになっていくと思う.
若い医師たちに,「どこそこへ行け」と言えなくなった,
医局長,教授たちにとっても辛い状況であろう.
外科系は,やはりチーム医療なので個人主義的な人が集まると,
困る部分がある.
同じ組織に属しているという帰属意識がないと,
戦えない部分があると思う.
個人的にその病院で技術を身につけて,
その後は,次のところで違う技術を身につけてと考えている人に,
とことん教えるだろうか?
従来は,ギルトというか徒弟制度というか,
師匠と弟子のような関係にあった医師集団が,
どこでも手っ取り早く手技獲得コースを開いているところに
若手が行くようになれば,
少なくとも「ある大学の医局」に帰属している意識は薄れる.
今後はなくなるであろう.
現実として,自分も11月末はハンズオンを受けに東京まで行く.
それは,今自分のいる近県では習得できる機会が無いからである.
医局に頼めば,良い時代ではなくなったので,
生き残るためには仕方がない.
その新しい職能集団に属することが,
従来の医局に所属することにとって変わられると思う.
学会であり,専門医であり,共通疾患の治療グループなどが,
医局の次に出てくるであろう.
人は,完全なスタンドアローンではやっていけない.
特に医師は無理であろう.
医療崩壊がもたらした別の側面として
,医師の医局への帰属意識の崩壊がある.