医療費削減への第3歩?
2016年4月から
「外来投薬は7種類以上になると
4割,収益をカット」
「新しい薬は30日以内」という
ガイドラインがでた.
それに向けて3月は大量の薬が処方されたような.
それで3月の外来売り上げが上がった病院は多かった
と思う.
その反動で,4月の病院の外来の薬の売り上げは激減.
まあ,それでも皆,
解決策を探してなんとかしようとしている.
ところで健康な人は,「一つの外来で
7剤も処方することがあるのだろうか?」
と思うかもしれない.
答えは,
「そういう患者さんは極めて多い」です.
たとえば,脳外科なら,
高齢者の「脳卒中後の状態ならば,
降圧剤:1から2剤
必要なら,「抗痙攣剤」1剤
さらに,他に通うのが大変なので,
「便秘の薬」2剤
そして,多くの高齢者は,
「睡眠薬」を飲んでいる.1剤あるいは2剤.
そして,脳卒中なら,
コレステロールも高値のヒトは多い.
それは1剤.これで7,8剤はざらに行く.
さらに認知症が絡んでくると,
安定剤,認知症の薬が加わる.
さらに,どこかしこが,「痛い」ヒトは多い.
痛み止めがでたら,胃薬はお約束.
それらをまとめて出すと,
7剤,8剤は「基礎の基礎の薬剤」となる.
これに,明け方のめまいなどが加わると,
さらに増える.
他にもパーキンソン病などなら,
基礎の薬剤だけで5剤はごく普通.
それに便秘の薬.胃薬を加えると
「7種超え」なのが普通の状態.
まあ,同じ病院内なら,受診する科を変えたら,
それぞれに7種なので合計14種類まで処方可能.
総合病院ならなんとかなりそう.
まあ,ほんとに大変.
7種超えの制限は,今後の外来診療を変えていくように
思える.
どんなに変わるか予想してみると,
1)「めまい」もあるからと,ついでに出すことは
すでに困難.
まず,耳鼻科に行くヒトが増える.
めまいや耳鳴りが治りにくいのは医療従事者なら,
皆わかるが,多くの患者がいくつもの病院に行くことになる.
2)単科の専門病院にいくつもの薬を出してもらうのは,
事実上,不可能になった.
ということは,一日で必要な薬をもらうためには,
「大きな総合病院」に行くことになる.
再び,何でもかんでも「総合病院」へいくことになる
と思う.
しかも,治療後の状態のヒトがである.
要は,以前の「診断がつかないから」という
ドクターショッピングではなく,
睡眠薬などの「必要な薬」を求めての
「総合病院内複数科受診」の患者が増える.
さらに新しい薬の処方には,
「30日以上だしたらダメ」となった.
困ることは,いくつかある.
これは次回に(次回があれば)