安心・安全は,そもそも誰のために?

安心,安全な救急は良いとして

今度出来る救急外来室に,自分は幾つかの考えを
示していた.

まず,自分が考えていたのは,
救急外来室に監視カメラをつける.
録音,録画をして,問題患者の暴れっぷりを
証拠として提出できるようにする.
あるいは,薬の盗難などを防ぐ.

そして,部屋の前には,「安心,安全のため
常に録音,録画をしています.」と張り出すというもの.

すでに3年前には,市○病院の救急外来の診察室5室すべてに
監視カメラをつけているらしい.
患者からの電話も全て録音しているとのこと.

今は,そういう時代であろう.
廊下,受付にも装着すれば良い.

そう考えていたが,
意外と職員からの反対の意見が多い.

患者さんがいないとき,診察室でのんびりとごろごろしているのが,
まさに,監視されていることになる.

職員同士の馬鹿話も,全て録音されていたら,
それは,困る人が多いであろう.

それで,突然ひらめいた.

録音,録画から免れる空間を赤線などで囲った
エリアを職員に配布する.
そこなら,誰に見られることもなく,
アイスクリームを食べたり,憂さ晴らしの雑談もできる.
その空間での,貴重品などは,それこそ自己責任である.

以前,トイレが盗撮されていた病院もあった.
「当院のトイレは,使用者の安心,安全を確保します」
と張り出して,カメラなどが無いことを常時確認すれば良い.

カメラで安心を担保するエリアと,
カメラが無いので,安心して好きなことができるエリア.

まあ,犯罪抑止力と,監視社会の息苦しさの
バランスであろう.

職員に安心,安全がないと,患者,家族の安心はさらに無い.

悩ましい問題.

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