県北での研究会に出席したけど

県北,自分の病院から78kmの距離のホテルで,
救急関係の研究会があった.

勉強になったことは,
いまだに,田舎,その県のはずれは,大変との訴え.
しかし,管外に急患を救急搬送しないといけないことは,
よくある.全体の1/3を管外に送っているような.

自分の印象,

高齢化というか65歳以上の人口比率が35%程度の田舎は
今はたくさんある.
そして,その近辺の2次医療の病院の医師も
みな,高齢である.

30歳代の医師は,たいてい,どこの僻地にもいない.
麻酔科の医師もいない.
外科系の処置が出来る医師もいない.

じっくりと,県の僻地,県境のエリアの救急隊,病院の話を
聞きながら思ったこと.

平成の大合併は100年の国策.

そのこころは,「人間は僻地に,これ以上住むな」
と言う意図.

「現代人」として生活できるのは,
僻地では不可能であること.

先祖代々の田舎で,先祖代々と同じような生活をするなら,可能.
自分で食べ物を取ってきて,自分達だけで人生が
完成するなら,それでもいいが,
先祖代々の時と同じ医療レベルでも良いという条件が
付随する.

「現代の最先端の医療水準を希望するなら,
それがそろっている地域で生活するように.」である.

僻地で最新の医療設備を整えて,
専門医をそろえるのは,あり得ない.

今の僻地の住人,特に高齢者は,
その人達の時代の医療で,我慢が出来ますかという質問.

たとえは悪いが,地獄のあがきである.

多死社会にむけての,序章というか,
死ぬべき乗客達を満載にした
滑走路を疾走するジェット機のような印象.

そろそろ,多死社会が来る.

仕方が無い部分がある.

人間の死亡率が100%である以上,
避けられない運命のような気がする.

まあ,運命と歴史には逆らえないと,ある意味,納得した.

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